お化け登場、そして結末
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 16:28 UTC 版)
いよいよ草木も眠る丑三つ時、三番蔵の戸前が光ったかと思うと、ドカ~ン!という大きな物音。 「出た~!」 途端に二人とも腰を抜かしてしまう。 しかし、責任があるので蔵まで這って行き、戸前を開けると中で繰り広げられていたのは、 「かたや~、大紋、大紋~。こなた~、黒龍、黒龍~」 なんと、帯と羽織が相撲をとっているではないか。 実はこの二品の持ち主はある相撲取り。やはり旦那の言うとおり質物の気がお化けになったのだ。 その光景をしばらく無言で見つめていた熊五郎が、 「番頭さん、あれを御覧なさい」 指差すほうを番頭が見ると、藤原さんから質入れされた一幅の掛け軸が下がったかと思うと、中の菅原道真公が抜け出てきて 「そちがこの家の番頭か?」 「へへ~」 「藤原方に参り、とくと(急いで)利上げ(質入れ後に払う利息分の支払い)をせよと申し伝えよ。麿もどうやら、また流されそうだ」 (主人が腰を抜かした二人を叱咤し、みずから三番蔵の中をのぞくという演出もある)
※この「お化け登場、そして結末」の解説は、「質屋蔵」の解説の一部です。
「お化け登場、そして結末」を含む「質屋蔵」の記事については、「質屋蔵」の概要を参照ください。
- お化け登場、そして結末のページへのリンク