「明日咲くつぼみに」レコーディング秘話
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「三波春夫」の記事における「「明日咲くつぼみに」レコーディング秘話」の解説
1996年の暮れ、永六輔に作詞を依頼し制作された同曲のレコーディングが行われた。永からは「あの歌は、『ストレッチャーで寝てても歌える、100歳になっても歌える』、そんな歌にしたい。三波さんって元気なのはわかるけども、さすがに90歳で俵星玄蕃はできないでしょう。だったらやってください」と曲の制作意図とイメージが三波に伝えられた。しかし、何度やっても三波は声を張り上げて歌いあげてしまう。それを見ていた妻・ゆきは永に、「永さん、もうやめて下さい。あの人はあの歌い方しかできないんです。力なく元気なく歌うなんてことはできないんです!」と話す。「じゃあ辞めましょう」と永が切り出すと、ゆきは三波がいる録音ブースの中に入っていき、「あんた、永さんが言ってることがわからないのか!力抜けって言ったら力抜け。お前は三波春夫じゃないか!ああ、もう三波春夫はいないのか!」と、三波に怒鳴った。その様子をガラス越しに聞いていた永は思わず涙を流したという。永は「ああ、あの奥さんがいて、初めて三波春夫がいるんだって痛感しましたね」と語っている。三波は、妻に叱責された後、いつもの笑顔で「もう一度、お願いします」と一言スタッフに告げ、呟くような歌い方で永のリクエストに応えた。このレコーディングから4年後に三波はこの世を去ったが、永は後に、この歌の歌詞が、既に病魔に侵された身だった三波本人にとって辛い内容になってしまった事が悔やまれると語っている。 2012年1月1日、舟木一夫が「芸能生活50周年記念シングル第1弾」として同曲をカバーし、シングル化している。
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