Ωパラメータ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/05 10:01 UTC 版)
現在のΛCDM宇宙モデルでは、物質は万有引力により宇宙膨張を減速させ、ダークエネルギーは万有斥力により宇宙膨張を加速させる。宇宙論パラメータとしては、物質の量は全物質密度パラメータ Ω m {\displaystyle \Omega _{\mathrm {m} }} 、ダークエネルギーの量はダークエネルギー密度パラメータ Ω λ {\displaystyle \Omega _{\mathrm {\lambda } }} で表される。宇宙年齢は、 Ω m {\displaystyle \Omega _{\mathrm {m} }} ・ Ω Λ {\displaystyle \Omega _{\mathrm {\Lambda } }} で決まるある定数をハッブル時間に掛けた値となる。 以前は、自明のこととして宇宙定数は0、つまり Ω λ = 0 {\displaystyle \Omega _{\mathrm {\lambda } }=0} と考えられていた。その場合、宇宙膨張は減速するだけなので、係数は1より小さい。つまり、宇宙年齢はハッブル時間より短い。もし宇宙が平坦なら、つまり Ω = Ω m = 1 {\displaystyle \Omega =\Omega _{\mathrm {m} }=1} なら、その係数は2/3となる。 WMAPの観測によれば、 ( Ω m , Ω λ ) = ( 0.266 , 0.732 ) {\displaystyle (\Omega _{\mathrm {m} },\Omega _{\mathrm {\lambda } })=(0.266,0.732)} で、これから計算される係数は0.996である。結局、宇宙年齢はハッブル時間とほとんど同じとなる。 小松英一郎ら (2008) のWMAP等に基づく計算では、宇宙年齢は (137.2 ± 0.12) 億年である。
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