Houdini Houdiniの概要

Houdini

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/08 15:52 UTC 版)

Houdini
開発元 Side Effects Software
最新版
18.5.351 / 2020年10月17日
対応OS Windows, macOS, Linux
種別 3DCGソフトウェア
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト www.sidefx.com/ja
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概要

Houdiniは他の統合型3DCGソフトウェアと比較して破壊的モデリング機能が劣るものの、高度な各種物理現象のシミュレーション機能があるため映画テレビCMVFX制作で多用されている。また、高度なプロシージャルモデリングが可能であり、ゲーム業界でも普及が進んでいる[1]

キャラクターアニメーション周りも筋肉シミュレーション[2]や群集シミュレーション[3]などの高度な機能を搭載している。

オペレータ (演算子)

Houdiniのプロシージャルな性質は、そのオペレータ (演算子) 群に見られる。一般的にデジタルアセットはオペレータ(またはOP) のシーケンスを接続することで構築される。このプロシージャル性には以下のようないくつかの利点が存在する: 他のパッケージに比べて比較的とても少ないステップで高精細の幾何学的な、又は有機的なオブジェクトを構築可能、非線形な開発を可能にし促進させる、新しいオペレータが既存のオペレータに基づいて作成可能であり、他のパッケージでカスタマイズのために良く使われている非プロシージャルなスクリプト作成の柔軟な代替物となる。Houdiniはこのプロシージャルなパラダイムテクスチャシェーダパーティクル、「チャンネルデータ」(アニメーション駆動用データ)、レンダリングコンポジットの至る所に使用している。

Houdiniのオペレータベースの構造は幾つかの主要なグループに分かれている:

  • OBJ – 変形情報を渡すノード (伝統的にSOPも含まれている)
  • SOP – Surface Operators – プロシージャルモデリング向け。
  • POP – Particle Operators – パーティクル・システムの操作に使われる。
  • CHOP – Channel Operators – プロシージャルアニメーション及びオーディオ操作向け。
  • COP – Composite Operators – 映像のコンポジットを行うのに使われる。
  • DOP – Dynamic Operators – 流体、クロス、剛体の相互作用などの動的シミュレーション向け。
  • SHOP – Shading Operator – 幾つかの異なるレンダラーの多数の異なるシェーディング型の表現向け。
  • ROP – Render Operators – 異なるレンダーパス及びレンダー依存関係を表現するネットワークの構築向け。
  • VOP – VEX operators – 高度に最適化されたSIMDアーキテクチャーを使用して上記の型のノードを構築すること向け。
  • TOP - Task Operators[4]
  • LOP - Lighting Operators - キャラクター、小道具、照明、レンダリングを記述するUniversal Scene Descriptionの生成向け。

レンダラー

レンダラーには独自レンダラーのMantra及びKarmaが搭載されている。

Mantra

Mantraはレイトレースレンダリングとマイクロポリゴンレンダリングの両方のレンダリング手法に対応したレンダラーであった[5]。Houdini 18以降は大きな開発が終了しており、今後はバグ修正のみ行われる予定[6]

シェーディングモデルは物理ベースシェーディングと非物理ベースシェーディングの両方に対応していた[5]

Mantraは以下のサードパーティー製レンダラーとの間に一部の互換性が存在する:

  • mental ray - mental rayの記述ファイル形式 .mi からOTL形式への変換を行うためのmidsがHoudiniに付属している[7]
  • RenderMan互換レンダラー - RenderMan互換レンダラーで使われているシーン形式 RIB の読み込みに対応[8]
    • RenderMan - RenderManのシェーダーバイナリ形式 .slo からOTL形式へと変換を行うためのslo2otl.py (旧rmands) がHoudiniに付属している[9][10]
    • 3Delight - 3Delightのシェーダーバイナリ形式 .sdl からOTL形式へと変換を行うためのsdl2otl.pyがHoudiniに付属している[10]

Karma

KarmaはSideFX Solarisで使うことができる新たなパストレースレンダラーである。CPUのみのCPU版とCPU/GPUハイブリッドのXPU版がある[11]。XPU版はまだα段階であり、対応GPUがNVIDIAのみの上、未対応の機能が多く残っている[11]

Houdini GL

Houdini GLはSideFX Solarisで使うことができるOpenGLベースのリアルタイムレンダラーである。

外部レンダラー

その他、Houdiniでは内部レンダラーのMantra及びKarmaだけでなく、以下の外部レンダラーを使用することもできる。

現行
  • RenderMan (RenderMan for Houdini、RfH)
  • Arnold (Arnold for Houdini、HtoA)
  • Octane Render英語版 (OctaneRender for Houdini)
  • Redshift
ベータ版
廃止
  • appleseed (houseed)

  1. ^ プロシージャルコンテンツ生成の可能性に沸くゲーム業界~Tokyo Houdini Meetup Vol.1レポート Born Digital 2018年1月18日
  2. ^ Muscles Side Effects Software
  3. ^ Crowd basics Side Effects Software
  4. ^ https://vimeo.com/322225534
  5. ^ a b Understanding mantra rendering Side Effects Software
  6. ^ SideFX ships Houdini 18 CG Channel 2019年11月27日
  7. ^ 『Houdini On the Spot: Power User Tips and Techniques』 P.154 Craig Zerouni 2007年8月20日 ISBN 978-0240808628
  8. ^ Delayed Read Archive VOP node Side Effects Software
  9. ^ 『Houdini On the Spot: Power User Tips and Techniques』 P.169 Craig Zerouni 2007年8月20日 ISBN 978-0240808628
  10. ^ a b Rendering with RenderMan Side Effects Software
  11. ^ a b Karma Renderer FAQs Side Effects Software


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