草枕
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制作時期に関して
関係者への書簡から、詳しい制作時期が判明している。1906年(明治39年)7月26日に執筆開始。同年8月9日脱稿。「吾輩は猫である」の脱稿から10日後に執筆を開始し、完成したのはその2週間後であった。
熊本で英語教師をしていた漱石は、1897年(明治30年)の大晦日に、友人であった山川信次郎とともに熊本の小天温泉に出かけ、そのときの体験をもとに『草枕』を執筆した[2]。作品の中で登場する「峠の茶屋」は、熊本市街から小天温泉に至る途中の道にあったと考えられており、この当時にあった「鳥越(とりごえ)の峠」もしくは、「野出(のいで)の峠」にあった茶屋が、そのモデルであるとされる[2]。現在の鳥越の峠には1989年(平成元年)に当時あった茶屋を復元したものが建てられており、園内に漱石の句碑が建てられている[2]。また、当時の茶屋は現存していないが、野出の峠のほうにも茶屋跡の碑と漱石の句碑がある[2]。
書誌情報
1906年に『新小説』に発表され、1907年に『鶉籠(うずらかご)』に収録された。のちの1914年に、春陽堂から単独の単行本が出版された。これは読者からの希望に応じて、単独の書籍とする許諾を漱石から得て刊行されたと扉に記載がある[3]。また、1917年に漱石全集の第2巻にも収録された。
- 夏目金之助『鶉籠』春陽堂、1907年1月1日。NDLJP:885509。
- 夏目金之助『草枕』春陽堂、1914年12月18日、250頁。NDLJP:917015。
- 夏目漱石『短篇小説集』漱石全集刊行会〈漱石全集 第2巻〉、1917年12月6日、890頁。NDLJP:957304。
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