燃費 燃費と速度

燃費

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/28 03:23 UTC 版)

燃費と速度

自動車教習所の教本やエコドライブのガイドでは、燃費が最もよい速度は一般道では40 - 50 km/h高速道路では80km/hと記載されている。日本国内向けに生産された国産車は、エンジンのトルク特性や変速比(トランスミッションデフ歯車比、タイヤ径)、さらに、ATの場合は変速タイミングをこれらに合わせてあるものが多く(排気量により速度域が異なることがある)これらが当てはまるが、パワートレインに日本向けの変更が施されていない欧州車は、一般道、高速道ともに、やや高い速度域で燃費がよくなる傾向にある。

これは、日本で採用されている燃費測定法の10・15モード燃費における走行速度は市街地で20 - 40km/h、郊外自動車専用道路で50 - 70km/hであるのに対し、欧州における燃費測定法の欧州複合モード燃費では市街地40 - 60km/h、郊外70 - 90km/h、高速道路120km/hという速度で測定されるためである。欧州各国の規制速度値は日本より全般的に高く、実際の交通の流れも速い。また欧州仕様のディーゼル車においては、それらのガソリン車より、さらに高速燃費に優れている。

近年はATの多段化により80km/hを超える速度域で燃費を重視した車も登場している。例えば、LS460の燃費は100km/h走行時でも80km/h走行時のそれと変わらない。

実際に、日本の10・15モード走行で良好な結果を出した車がECE15では他の欧州メーカーの小型車より燃費が大幅に劣るといったことも多い(ホンダ・フィットは10・15モードで24km/LだがECE15では17.5km/Lである)。


  1. ^ 当初のWLTCモードの完全移行予定年月は2020年9月であったものの、2020年上半期時点での日本国内におけるCOVID-19の感染状況を鑑み、国土交通省が特例措置として4ヶ月間の延長を認めた為。
  2. ^ 前照灯尾灯方向指示器など。
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