滋賀県立琵琶湖博物館 施設

滋賀県立琵琶湖博物館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 05:01 UTC 版)

施設

建築概要

常設展示

C展示室には、彦根市から移設された実際の民家(冨江家)が展示されており、電化製品や生活用品など昭和39年頃の生活の様子が忠実に再現されている。
A展示室 湖の400万年と私たち 〜琵琶湖の自然と生い立ち〜
自然環境の変化について展示してあり、化石岩石鉱物も展示している。半身半骨のツダンスキーゾウが展示されており、世界初である。琵琶湖周辺にゾウやワニが生息していたことや、その時代にどのような樹木が生息していたかなどを学ぶことができる。
B展示室 湖の2万年と私たち 〜自然と暮らしの歴史〜
琵琶湖に関する湖底遺跡や湖上の交通、漁業について展示している。展示室中央にはかつての湖上水運の主力だった「丸子船」を展示している。リニューアルオープン後、丸子船の位置は変更され、部屋の端になった。また、リニューアル後の丸子船はVRで展示を見ることができたり、丸子船の中には船ネズミの剥製があるなど、より当時の様子を学ぶことができる。
C展示室 湖のいまと私たち 〜暮らしとつながる自然〜
琵琶湖と人々の暮らしの関わりについて展示している。彦根市から移築された農家を利用して昭和30年代の生活風景を再現している。展示室入り口付近の床には、琵琶湖瀬田川宇治川淀川周辺の巨大な航空写真が印刷されている。展示室内では、カヤネズミハッタミミズクサガメイシガメナゴヤダルマガエルなどの生体展示も行っている。
水族展示室 湖のいまと私たち 〜水の生き物と暮らし〜
琵琶湖に住む多くの種類の魚を展示している。竹生島の周辺の水中を再現したトンネル形の水槽があり、展示通路を進みながら魚を見ることができる。淡水のトンネル水槽では、日本最大である。展示面積は約2000㎡で淡水生物の展示室としては国内最大級。バイカル博物館と協定を結んでいることから、バイカル湖のLive映像を常に見ることができる。また、バイカルヨコエビである、アカントガンマルスビクトリィは飼育下で世界初の繁殖をし、展示物がされているが、隣の水槽のバイカルアザラシに人が集まり、あまり見られていない。微小生物の展示をしているマイクロアクアリウムでは、毎日琵琶湖へプランクトンの採集を行い、それを展示しているため、毎日観察できるプランクトンが異なる。運が良ければ珍しいプランクトンを観察することができる。
ディスカバリールーム
ザリガニの模型など、親子で楽しむ展示がされている。五感を使って学ぶことができる展示になっている。すべての展示室に関わる展示物が展示されている。手に取ることができる展示物が多く、小学生3年生以下の子どもは保護者がいないと入室ができない。季節の行事に合わせて展示替えやイベントがあるが、なぜか展示替えはホームページなどで公開されていないため、展示室に行くまで分からない。入室数が多い時は人数制限がされており、すぐに入室できないこともある。入室時間は16:30までである。ディスカバリールームには必ず1人以上のスタッフがおり、カウンターでディスカバリーBOXという展示物を借りることができる。この展示物は多くの園館でよく似たものが作られているが、オリジナルはびわ博らしい。
おとなのディスカバリー
質問コーナーも内蔵されている。剥製や標本を360度観察することができる。剥製を作成している動画や種名を当てるクイズなどもある。本も置いてあるため、自分で調べることもできる。入室時間は16:30までである。

質問コーナー、レストラン、ショップのみの利用も、別途手続きにより引き続き無料で利用できる。 屋外の樹冠トレイルについても無料で利用できる。 この他、野外展示(生活実験工房)もある。

屋外展示

樹冠トレイル

琵琶湖博物館では、滋賀県の全てが博物館という考え方から、博物館利用者が展示や活動に参加することで、自分たちの身の回りの暮らしや自然に目を向けることをめざしている。屋外展示は、擬似的な自然ではあるものの、自然に近いものをつくり、室内展示から外に出て、ゆったりと散策できる空間がつくられている。 屋外展示では、森や川や池をつくり自然観察会をおこなったり、生活実験工房では田や畑などをつくり、てワークショップを行う場としている[8][9]

滋賀の自然を育んだ森

太古の森と5000〜6000年前から現代にかけての縄文・弥生の森という2種類の森を中心に再現している、 室内展示と合わせて森の雰囲気を体感したり、散策をや自然観察の場としている[8][9]

太古の森
およそ180万年から200万年前に、琵琶湖周辺の湿地にひろがっていたメタセコイヤなどの落葉針葉樹林の森「太古の森」は、屋内展示のジオラマ「ゾウのいる森」を再現しようとしている。
太古の森の湿地帯には、スイショウ、ハンノキ、斜面から尾根にかけてはメタセコイヤ、フウ、トガサワラ、ツガなどの落葉針葉樹林を植栽し、滋賀県に広がっていた自然の雰囲気を知ってもらおうとしている[9][8]
縄文・弥生の森
人が農耕をはじめた頃に琵琶湖周辺の丘陵地に広がっていた常緑広葉樹の森を再現しようとしている[9][8]
神社の森や湖辺の自然林調査データから樹木構成を検討して、イチイガシ林、コジイ林、タブ林として植栽されている。自生のイチイガシは圏内でも2本しか残っていない[9]
タブ林は、湖北地方や彦根城、竹生島などに残っており、これらの森を参考に再現しようとしている[9]
湖岸の森
琵琶湖の湖畔に植生のあるヤナギやハンノキなどの種を、見本林として植栽している[10]
落葉樹の森
人々の営みと特に深い関わりを持つ樹木を中心に、多様な落葉樹を植栽している[10]

生活実験広場

淡海文化の体験空間として、屋内では不可能な火や水や土を実際に扱えるワークショップを行える場、長期間に及ぶ屋外実験・実習の場、屋外展示の活用に際してレクチャーやミーティングを行うための拠点として整備された[10]。この広場の中核となる工房は、また、滋賀県の伝統的な作物や、生活文化を支えた作物など、滋賀県で伝承されてきた民家の生活文化の知恵を伝え、実践する体験学習や、そうした生活スタイルを活かした資源利用やリサイクルの実習や体験学習を行う[10]

工房周辺には米づくり体験のための実習田があり、農薬を使用しない稲作労働の体験だけでなく、水田に多くの動植物が生息する環境を日本の代表的な生態系と位置付け、展示する。また、工房での実習に使う作物を栽培する畑を教材園として整備する[10]

水辺環境と自然の遷移

アユなどの生息環境の重要な要素である瀬や淵なども含む、河川の上流から下流までの様々な環境を再現した生態観察水路や池を配置し、そこに自然と集う生物を観察したり体験できる場として整備された[10]。実験空間では、裸血での植物繊維を調べるための場と、ヨシや水草などの状態を調べる実験池や水路を設け、その様子は観察会などを催して公開するほか、実験成果を博物館での展示にも反映している[10]








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