接続形式 主バンドル

接続形式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/10 02:06 UTC 版)

主バンドル

今まで紹介したように、接続形式は標構の特定の選択に依存する。第一の定義の中では、標構は単に切断の局所的な基底である。各々の標構に対する接続形式は、一つの標構から別の標構へ移行する変換法則によって与えられる。第二の定義の中では、標構自体がリー群によって与えられる付加的な構造をもっていて、標構の変換はこの(付加的な構造の中に)値を取らねばならないという制約を受ける。チャールズ・エーレスマン英語版(Charles Ehresmann)により1940年代に開拓された主バンドルのことばで、これらの多くの接続形式と、単一の本質的な形式へ接続形式を単一の変換規則により変換する方法を提供した。しかしこのアプローチの欠点は、形式がもはや多様体の上では定義することができず、より大きな主バンドルの上でしか定義できないことである。

接続形式のための主バンドル

E → M を構造群 G をもつベクトルバンドルとしよう。M の開被覆 {U} の上で各々の U の上では G-標構に沿っている標構を 、eU よって表すとする。オーバーラップする開集合の交叉 U ∩ V 上で定義された G に値を持つ函数は、ある G に値を持つ函数 hUV に対して、

によって、開集合の交叉が関連付けられる。

FGE を M の各々の点上に取られたすべての G 標構の集合とする。これは M 上の主 G-バンドルである。詳しくは、G 標構は全て G に関連しているという事実を使い、FGE を

として、開被覆の集合の間を貼り合わせることが可能である。ここに、同値関係 は、

として定義される。

FGE 上で、主 G-バンドルを、各々の積 U × G の上の g-に値を持つ 1-形式はオーバーラップする領域の上での同値関係とみなすと定義する。最初に、

を射影写像とする。ここで点 (x,g) ∈ U × G に対して、

とおく。このようにして構成された 1-形式 ω は、オーバーラップした集合の間の変換とみなせ、従って、主バンドル FGE 上に大域的に定義された 1-形式を与えるとみなせる。ω は、FGE へ右から作用する G を生成する生成子を再現し、G の随伴表現を持った T(FGE) 上の右からの作用とは同変的に作用するという意味で、主接続である。

主接続に付随する接続形式

逆に、主バンドル G-バンドル P→M の中の G-接続 ω は、M 上の接続形式の集まりより構成できる。e : M → P を P の局所切断とすると、e に沿った引き戻し ω は、M 上の g に値を持つ 1-形式

である。G に値を持つ函数 g により標構を変えると、ω(e) はライプニッツ規則と次の随伴関係を使うことにより、求めている接続形式の方法で変換する。

ここに X は M 上のベクトルであり、d はプッシュフォワード(pushforward)を表す。


  1. ^ 日本語では、「接合」"Solder"という用語はあまり使われないようである。しかし、標構(frame)が与えられたときの「標準 1-形式」「標準一次形式」という用語で使われている。
  2. ^ 本記事では、微分作用素(微分形式)が外積代数であることを意識して、外積接続という用語を用いることとする。
  3. ^ Spivak (1999)参照、II.7 では、完全にこの観点からレヴィ・チヴィタ接続を考察している。
  4. ^ 非ホロノミックな標構では、曲率の表現が微分 dθi を考えに入れねばならないため、一層複雑になる。
  5. ^ 計量をベクトルバンドルとして考える。
  6. ^ Wells (1973).
  7. ^ See for instance Kobayashi and Nomizu, Volume II.
  8. ^ 同上の書籍参照。
  9. ^ Chern と Moserを参照。





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