慣性モーメント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 20:53 UTC 版)
計算例
棒の両端の質量
重さの無視できる長さ L の棒の両端に、質量 m 、M の物体がくっついたものを考える。棒の適当な位置に回転の中心となる点を定め、そこから両端までの腕の長さをそれぞれ a、L - a とする。このとき、中心に対する慣性モーメント I は、
と、計算される。この式から分かるように、慣性モーメントは、中心(回転軸)のとり方によってその値が変わる。中心として系の重心をとったとき、慣性モーメントは最小となる。すなわちもっとも回しやすい。
円板
半径 a 、全質量 M の、一様な密度 ρ = M / πa2 をもつ円板の、中心軸まわりの慣性モーメントは
となる。
これは中心から半径 r 、幅 dr << r のリングの質量 dM を考えると
より、このリングの慣性モーメント dI が
だから
より求めることができる。
リング状円板
円板外半径 a 、くり抜き内半径 b 、全質量 M のリング状円板では、前出の dI を用いて
となる。
- ^ (ゴールドシュタイン 1983, p. 248) 式(5-2)
- ^ a b (ゴールドシュタイン 1983, p. 254)
- ^ (ゴールドシュタイン 1983, p. 249)
- ^ (ランダウ & リフシッツ 1986, p. 124)
- ^ (ゴールドシュタイン 1983, p. 255) 式 (5-19)
- ^ (ランダウ & リフシッツ 1986, pp. 124–125)
- ^ a b (戸田 1982, pp. 167–175)
- ^ (ランダウ & リフシッツ 1986, pp. 122–124)
- ^ 谷腰欣司 『小型モーターのしくみ』 電波新聞社、2004年、24頁。ISBN 4-88554-775-X。
- ^ 堀野正俊 『機械力学入門』 理工学社、1990年、97頁。ISBN 4-8445-2253-1。
- ^ 谷腰欣司 『小型モータとその使い方』 日刊工業新聞社、1987年、21頁。ISBN 4-526-02147-4。
- ^ 電気学会 電気規格調査会 標準規格 『JEC-2130 同期機』 電気書院、2016年、8頁。
- ^ 日本工業標準調査会 『JIS B 0119 水車及びポンプ水車用語』 日本規格協会、2009年。
- ^ 電気設備学会編 『電気設備用語辞典』 オーム社、2008年。ISBN 978-4-274-20962-8。
- ^ モータ技術用語辞典編集委員会編 『モータ技術用語辞典』 日刊工業新聞社、2002年、52頁。ISBN 4-526-05034-2。
- ^ 電気用語辞典編集委員会編 『電気用語辞典』 コロナ社、1997年、643頁。ISBN 4-339-00411-1。
慣性モーメントと同じ種類の言葉
モーメントに関連する言葉 | モーメント(もーめんと) 双極子モーメント(そうきょくしモーメント) 慣性モーメント(かんせいモーメント) 異常磁気モーメント 電気双極子モーメント |
量に関連する言葉 | 微量 感量 慣性モーメント(かんせいモーメント) 排水量(はいすいりょう) 数量 |
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