山姥
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/28 03:52 UTC 版)
金太郎の母
山姥の伝承として有名なものに、足柄山の金太郎の母がいる。金太郎は、名を坂田金時といい、源頼光の四天王の一人となった人物である。『今昔物語集』では、976年、源頼光が上総国から上京したとき、足柄山にさしかかったところで、向かいの山の険しい場所に赤い雲気を見つけ、人傑が隠居しているものと、渡辺綱を遣わした。赤い雲気のたちこめていた場所には、老婆と20歳ほどの童形の若者が茅屋に住んでおり、尋ねたところによれば、老婆はある日、夢の中に現れた赤い竜と通じ、産まれた子がこの公時なのだと説いた。頼光は彼を常人ではないと感じ、坂田金時と名付けて家臣としたといわれている。
作品
山姥にまつわる作品。
- 曲舞『山姥』(現存せず)
- 謡曲『山姥』- 世阿弥作、都で山姥を題材にした曲舞を舞うことで知られる「百ま山姥」という遊女が、善光寺詣での途中、山中で日が暮れた時に女に宿を貸してもらうが、その女は山姥の正体を現して自らの境涯を語り、山巡りの舞を見せ消える。
- 金平浄瑠璃(足柄山の金太郎伝説が元になったもの)
- 義太夫『嫗山姥(こもちやまんば)』(金太郎伝説と謡曲『山姥』が元になっている)
- 義太夫『道行山廻旭の粧』
- 地唄常磐津清元富本荻江『山姥』
- 長唄『四季の山姥』
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
- 山姥(能面 長澤重春能面集)
- ^ 武田明. “四国民俗 通巻10号 仲多度郡琴南町美合の聞書”. 怪異・妖怪伝承データベース. 国際日本文化研究センター. 2009年8月17日閲覧。
- ^ 村上健司編著『妖怪事典』毎日新聞社、2000年、124頁。ISBN 978-4-620-31428-0。
- ^ 加藤恵 著「県別日本妖怪事典」、野村敏晴 編『歴史読本 臨時増刊 特集 異界の日本史 鬼・天狗・妖怪の謎』新人物往来社、1989年、319頁。
- ^ 日野巌「日本妖怪変化語彙」『動物妖怪譚』 下、中央公論新社〈中公文庫〉、2006年、236頁。ISBN 978-4-12-204792-1。
- ^ 『妖怪事典』、55頁。
- ^ 『南佐久口碑伝説集南佐久編限定復刻版』発行者長野県佐久市教育委員会 全232P中 102P 昭和53年11月15日発行
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