大連立構想 (日本 2007)
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その後の影響
2007年大阪市長選挙で、民主党が推薦した平松邦夫が、与党が推薦する現職の候補に勝利する結果となっている。
民主党の元代表である岡田克也は一連の騒動を「(スムーズに事態が収拾したことは)数年前の民主党では考えられないことで、政権交代するためにお互い何が必要であるか、そのことをきちんと自覚して、そして行動できる、そういう議員が圧倒的に多くなった。この、ある意味での強さが、民主党にとって、政権交代に向けて非常に大きな成果だった」と述べている[11]。
『FACTA』は、今回の大連立の目的は消費税増税であり、増税が行われたあかつきには新聞に関しては消費税増税の対象から外すなどの見返りがあったとしている[12]。
福田は大連立を持ちかけた側について「阿吽の呼吸という感じ」と言葉を濁していた[13]が、2008年3月30日にNHKの番組で「大連立は小沢氏からの提案」と明言している。福田は同年4月9日の党首討論でも、「(小沢)代表は『一緒にやらないとできない』と考えて、あの会談をセットされた」と述べた[14]。
森は引退後の2012年、日本経済新聞の「私の履歴書」において、渡辺から小沢が会いたがっていると仲介を依頼されたとして、小沢が持ち掛けたとの証言している[15]。
元政治記者の田中良紹は、自民党から官僚の操縦術と政権運営の「コツ」を教えてもらえるチャンスであったのに、それを逃したことで民主党政権の混乱を招いたのではないかと述べている[16]。
中選挙区制への見直し論
大連立の代表例としてマスコミなどで取り上げられたのが2005年ドイツのキリスト教民主同盟・キリスト教社会同盟(CDU/CSU)とドイツ社会民主党(SPD)との合わせて69.4%の議席数をもつ大連立であるが、これは下院にあたるドイツ連邦議会でどの政党も単独過半数を取れず、他の少数政党と連立を組んでも過半数にはおよばないために起きた政治現象であり、日本のように衆議院と参議院のねじれ現象によるものではない。
ドイツ連邦議会では比例代表重視の選挙制度(小選挙区比例代表併用制)が採られており連立政権が必然となってくる多党制を志向している。日本の衆議院はドイツに比べ小選挙区を重視した制度(小選挙区比例代表並立制)を採っており結果的に二大政党制が生まれやすい。ただ、衆議院とほぼ同等の権限を持つ参議院の存在が、ねじれ現象を生むことになり、そこに大連立論が出てくる背景がある。
なお、福田は小沢との会談で「現行の小選挙区制を中選挙区制度へ見直す」と示唆した[17]。
脚注
- ^ “首相が連立打診、民主拒絶 協議も「反対」”. 朝日新聞 (2007年11月2日). 2007年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月11日閲覧。
- ^ “「政治判断、今でも正しいと」小沢代表インタビュー”. 朝日新聞 (2007年11月16日). 2007年11月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月10日閲覧。
- ^ a b 小沢一郎 「中傷報道に厳重に抗議する」 民主党、2007年11月4日。
- ^ a b “小沢氏「混乱にけじめ」「報道に憤り」とも 会見全文”. 朝日新聞 (2007年11月4日). 2007年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月11日閲覧。
- ^ “小沢代表が辞職願いを提出 執行部に進退を一任”. 民主党 (2007年11月4日). 2007年11月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月11日閲覧。
- ^ “小沢民主代表が辞意 連立「協議に値した」” (2007年11月4日). 2007年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月11日閲覧。
- ^ 『読売新聞』2007年11月4日朝刊1面。
- ^ “小沢代表の続投確信『今日中に決着させたい』”. 東京新聞 (2007年11月6日). 2007年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月11日閲覧。
- ^ 「連立打診は自民から」自民・伊吹幹事長が明言 アーカイブ 2007年11月7日 - ウェイバックマシン 京都新聞 2007年11月5日
- ^ 「大連立」仲介―読売で真実を読みたい 朝日新聞社説 朝日新聞 2007年11月10日 Archived 2007年11月12日, at the Wayback Machine.
- ^ 岡田克也 「政権交代には何が必要か、多くの議員が自覚して行動した」『岡田かつや TALK-ABOUT』2007年11月9日。
- ^ 「「大連立」の黒幕は財務省」『FACTA』、2007年12月号。
- ^ 『だれが連立持ちかけ…「あうんの呼吸」と首相 アーカイブ 2008年2月16日 - ウェイバックマシン』YOMIURI ONLINE 2007年11月5日
- ^ 『首相、青筋立て小沢氏なじる「人事権の乱用だ」』朝日新聞、2008年4月10日 Archived 2008年4月10日, at the Wayback Machine.
- ^ 「私の履歴書 森喜朗回顧録 日本経済新聞出版社
- ^ 平成の日本政治とは?(4完)新自由主義の席巻と民主党政権のトラウマ(THE PAGE) - Yahoo!ニュース
- ^ 「民主、連立政権打診を拒否 首相は衆院の中選挙区制示唆」 産経新聞、2007年11月3日。 アーカイブ 2008年2月4日 - ウェイバックマシン
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