在日朝鮮語 音韻

在日朝鮮語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/13 01:38 UTC 版)

音韻

母音

在日朝鮮・韓国人の朝鮮語では、母音は日本語と同じ5母音である、と言われる。朝鮮半島での朝鮮語における9個の単母音との対応は次のようになる。

  • - ア
  • ㅓ・ㅗ - オ
  • ㅜ・ㅡ - ウ
  • - イ
  • ㅐ・ㅔ - エ
  • - ウェ

このうち、ㅐ・ㅔについては朝鮮半島でも若い世代では区別が薄れており、についても若い世代ではウェに変化することが多いが、その他は在日朝鮮語でのみ区別が消失している。

音節初子音

朝鮮半島の朝鮮語では、音節初の子音において平音・激音濃音の区別がされるが、在日韓国・朝鮮人の朝鮮語では日本語と同じく清音濁音のみの区別しかされないと言われる。

  • 平音・激音・濃音は語頭では一律清音もしくは平音のみ濁音(本来の平音は語頭では話者により清音~濁音、語中では完全な濁音、語末では清音となる)となり、語中では平音は話者の違いによって清音もしくは濁音、激音は促音を伴う清音もしくは通常の清音、濃音は促音を伴う清音となる。
"아빠"("abba")→「アッパ」
"조카"(joka)→「チョッカ」または「ジョッカ」、稀に「チョカ」、「ジョカ」など
  • 鼻音に後続する場合には、促音は現れない。
"앉자"(anjja)→「アンチャ」など

また、漢字語に頭音法則[注 2]は適用されない。

音節末子音

朝鮮半島の朝鮮語では、音節末に未破音(ㅂ・ㄷ・ㄱ)・鼻音ㅁ・ㄴ・ㅇ)・流音)の3類7子音が現れるが、在日韓国・朝鮮人の朝鮮語では流音がそのまま、もしくは後ろにuを付けて保存される以外、未破音は日本語音韻の促音に、鼻音は撥音にそれぞれ合流すると言われる。この結果、"조선사람"は「チョソンサラン」または「ジョソンサラン」のように発音される。但し全ての音節末子音にuを付ける話者もいるため、この場合"조선사람"は「チョソンサラム」、「ジョソンサラム」となる。








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