在日朝鮮語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/13 01:38 UTC 版)
文法
在日韓国・朝鮮人による朝鮮語の文法は、一部に日本語の影響を受けている。朝鮮語は、一部の助詞の使い方が日本語とは異なる場合があり、例えば朝鮮半島の朝鮮語では「車に乗る」というのを"차를 탄다"(=車を乗る)と言う。しかし、在日朝鮮人の朝鮮語では日本語に倣い"차에 탄다"(=車に乗る)と言う。また、朝鮮半島の朝鮮語において"하고 있다"、"해 있다"(どちらも「~している」の意で、前者は現在進行形で後者は状態を表す言い回し)で区別されるアスペクトの違いが失われ、どちらも"하고 있다"となる。
- (例1)「하고 있다」を用いる場合:ご飯を食べている(=먹고 있다)・見ている(=보고 있다)など、動作が進行していることを表す。
- (例2)「해 있다」を用いる場合:座っている(=앉아 있다)など、動作が完了した直後の状態が続いていることを表す。
つまり、「座る」という単語は本来ならば現在進行形では使えない。何故ならば「앉고 있다」とした場合、今まさに座ろうとしている瞬間を表すことになり、非常に不自然だからである。しかしながら、日本語にしてみれば、どちらも同じ「~している」という言い方になるため、在日朝鮮語では区別されることが無いケースが多く、このニュアンスの違いを理解できない在日朝鮮人も少なからずいる。
また、朝鮮語の終結語尾「-다」に日本語の終助詞「ね」「な」「よ」が結合された「-다ね」「-다な」「-다よ」といった形がよく使用される[2]など、朝鮮語の文に日本語の語尾を付加する・またはその逆など、日本語と朝鮮語の混交が進んだ形も用いられると言う。
語彙
日本語からの借用語彙が多い。
表記法
普段の会話では在日朝鮮語と言われるほど日本語の影響の強い朝鮮語を話す話者であっても、書面化する際には標準朝鮮語の正書法に従った表記法を使う。"조선글"を"조손굴"のように発音する話者も、後者のように表記することは基本的にない。これは、"대화"を"데화"と同じように発音する標準朝鮮語話者であっても、後者の表記を使わないのと同じである。一部では、口語的文章をカタカナを使って記すこともある。
固有名詞の分類
- 在日朝鮮語のページへのリンク