国民皆兵 国民皆兵の概要

国民皆兵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/27 01:56 UTC 版)

概要

国民国防を担おうという国家の姿勢から、一定年齢の男子 (国によっては女子も含む) が軍務に服する制度。フランス革命戦争で身分を問わず若い健康な男性が徴兵されたことに始まり、国民意識・アイデンティティの創造の不可欠な部分を形成し、それ以前に存在していた民の徴兵形態とは区別される[1]。 中華人民共和国、イスラエルは男女とも徴兵対象であるが[2]、中華人民共和国は志願兵だけで賄えているために実質的に国民皆兵は形骸化している[3]。スイスは女性は任意となっているため、2015年時点で17万553人中女性は1061人しかおらず、全体の0.6%しかいない[4]。旧ソ連など社会主義国は皆兵制度であったが、ソ連崩壊に伴う冷戦体制終結後は一部志願制を導入した国もある[2]

国民皆兵制度国の例

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  赤色:徴兵制を実施している国家地域。(注)志願兵制度との並立制を実施している中華人民共和国)」などの例外国もある。
  橙色:徴兵制廃止を予定している国家・地域
  青色:徴兵制を実施していない国家・地域(志願制度[5]
  紫色法律には徴兵制が定められているが二割以下だけが召集される国家
  緑色を保有していない国家・地域
  灰色:不明
  • イスラエル
  • スイス
  • トルコ
  • 韓国
  • エリトリア
  • 中華民国(台湾)-18歳以上の男性で陸軍なら2年、海空軍なら3年の義務だったが、1年に短縮されていた。それでも少子化による兵員数不足で延期されてきたが、2018年末に4ヶ月の訓練義務を残した志願兵制度となって、徴兵制度が事実上廃止された[6]。しかし、2022年ロシア連邦のウクライナ侵略を受けて復活決定、世論も変化し、世論調査で75.9%が「1年に延ばすべき」と徴兵制度復活を支持した[7][8]
  • 中華人民共和国-志願兵で足りるために事実上形骸化。

脚注

[脚注の使い方]

  1. ^ Perry, Marvin, Joseph R. Peden, and Theodore H. Von Laue. "The Jacobin Regime." Sources of the Western Tradition: From the Renaissance to the Present. 4th ed. Vol. 2. Boston: Houghton Mifflin, 1999. 108. Print. Sources of the Western Tradition.
  2. ^ a b 小項目事典, ブリタニカ国際大百科事典. “国民皆兵制度とは” (日本語). コトバンク. 2022年10月6日閲覧。
  3. ^ 日経ビジネス電子版. “人民解放軍、徴兵検査「不合格率57%」の影” (日本語). 日経ビジネス電子版. 2022年10月6日閲覧。
  4. ^ スイス人女性にも兵役義務? - SWI
  5. ^ 日本自衛隊は、軍隊ではないとしている。この記事の地図上では、軍隊に含む。
  6. ^ 台湾、徴兵制を終了 4カ月の訓練は義務 - 日本経済新聞
  7. ^ 米、台湾に自衛力強化要請 徴兵1年復活の公算―背景にウクライナ侵攻:時事ドットコム” (日本語). 時事ドットコム. 2022年10月6日閲覧。
  8. ^ 徴兵制を事実上廃止した台湾、ウクライナ戦争で4年ぶりに回帰か - Hankyoreh


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