体積
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/30 02:39 UTC 版)
体積の単位
体積は、物理量としては「長さの3乗」の次元を有している。体積を計算する際に、長さの単位で表現される数値を(公式などで)計算するが、その長さの単位の3乗が一般に体積の単位となる。たとえば、mmであればmm3、kmであればkm3である[7]。
国際単位系では、体積の単位は立方メートル (m3)を使用する[8]。この単位は漢字で表記して立米(りゅうべい)と呼ばれることもある。また、立方センチメートル (cm3; cc[9]やmLと同義)や、リットル (1,000 cm3 = L)も体積の単位として実用上よく用いられている。
体積の計測
化学分析では体積計が用いられる。特にガラス製のメスフラスコついては国際標準化機構 (ISO)にて詳細な構造や使用方法などの規格が定められている[10]。
体積の計測にはメスフラスコ(全量フラスコ)のほか、ホールピペット(全量ピペット)やメスピペット、ビュレット、メスシリンダーがある[10]。メスフラスコのように、容器の全量の目盛まで液体を入れたときに目盛り等の表記値が体積を表す受用の器具(英: To Contain (TC)、独: Einguss (E)で表記)、および、ピペットやビュレットのように、固有の排出時間内に排出先端より出た液の量を体積として表す出用の器具(同じくTo Deliver (TD)やAusguss (A)の表記)に、これらは分類される[10]。
体積と容積
容積(ようせき)あるいは容量(ようりょう)は、ある容器の収納容量を考えたとき、その中に入り得る物体・物質の体積のことを指す。物理量としては、容積は体積と同じように算出可能であり[11]、容積の単位は一般に体積と同じものを使用する。日本では、計量単位を定めている計量法体系において、「容積」の語が用いられることはなく、すべて「体積」あるいは「内容体積」と表記されている[注釈 1][注釈 2]。食品表示基準においても、食品の内容量の表示規制として、「容積」ではなく「体積」あるいは「内容体積」が用いられている[注釈 3]。
注釈
出典
- ^ “体積|算数用語集”. www.shinko-keirin.co.jp. 2023年10月20日閲覧。
- ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典: 体積.
- ^ 世界大百科事典 第2版: 体積
- ^ 上記本文と文字は異なるが、同じ意味である。つまるところ、何を文字に使っても直方体の体積の公式は変わらない。
- ^ 式中の演算子はそれぞれ、"·" はドット積、"×" はクロス積を表す。"|x|"はxの絶対値を表す。
- ^ この公式は、#定義からも分かるように、三重積分のうち二重積分のみを先に計算してしまった形の特別な場合(二重積分の結果がA(h))である。
- ^ ここで単位の先頭にSI接頭語(いわゆる補助単位)が付いているが、いずれもm3(立方メートル)にSI接頭語を付けたものではない。順序としては、SI接頭語を付けた単位(mmやkm)をまず準備し、それらをそれぞれ3乗している。
- ^ なお、SI基本単位としての長さの単位はメートル (m)である。
- ^ ccは元来"cubic centimetre"の略称であり、これは"cm3"の英語での読みそのものである。その略号のccが単位として定着している。
- ^ a b c 穂坂光司「ガラス体積計の基礎知識」 クライミング、2020年4月15日閲覧
- ^ 容積の計算では、収納・収蔵できる空間領域の大きさで計算を行う。
- ^ “計量法”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2014年7月4日閲覧。
- ^ “計量単位令”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2014年7月4日閲覧。
- ^ “食品表示基準”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2016年4月17日閲覧。
- >> 「体積」を含む用語の索引
- 体積のページへのリンク