京王デニ2900形電車 京王デニ2900形電車の概要

京王デニ2900形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/04 08:58 UTC 版)

京王デニ2900形電車
基本情報
製造所 東急車輛製造[1]
主要諸元
軌間 1372[2] mm
電気方式 直流1,500V[3]
自重 28.0t[4]
全長 16,590[4] mm
全幅 2,644[4] mm
全高 4,060[4] mm
台車 D-16A[5]
主電動機 直巻電動機HS-267D[4]
主電動機出力 95kW[5]
搭載数 4[5]基 / 両
駆動方式 吊掛式[5]
歯車比 63:19[5]
制御装置 抵抗制御 MMC-H200B[5]
制動装置 HSC[5]
保安装置 京王ATS
備考 廃車時のデータ
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概要

車体

車体長16m、両運転台で、両方の乗務員ドアの隣に太い柱を挟んで幅2,000mmの両開き扉をもち、扉間には窓4枚を配置、マルーンの車体の窓下に白帯が巻かれていた[6]。荷電という用途と重量軽減のため、内張はなく床は網目板となっている[7][8]。なお連結器は廃車になった木造車デハ2000形(初代)より流用した。

主電動機

デハ2000形(初代)よりの流用品である、イングリッシュ・エレクトリック (E.E.) 社が設計したDK-31を東洋電機製造ライセンス生産したTDK-31N[注釈 2]を各台車1基ずつ、吊り掛け式で搭載する[7]歯数比は64:20=3.20である。

制御器

これもデハ2000形(初代)よりの流用品である、ウェスティングハウス・エレクトリック (WH) 社製HL電空単位スイッチ式手動加速制御器を搭載する[7]。制御段数は直列5段、並列4段で弱め界磁は搭載されていない。

台車

デハ2111より川崎車輛製台車[注釈 3]を流用した[7]

沿革

主に新聞輸送などの荷物電車として使用され、就役直後の1955年(昭和30年)は荷電として1往復、新聞輸送1往復という運用だった[7]

1957年(昭和32年)4月に事業用車両の形式を旅客車と区別するため、デニ200形201に改番された[1]

1964年(昭和39年)に京王線の1500V昇圧に伴い、それまでの電装品は600V専用だったため、井の頭線デハ1560形デハ1711デハ1760形などの主電動機、デハ1400形デハ1700形の制御器を流用して昇圧改造が行われた。この改造で主電動機が東急デハ3450形と同系統の日立製作所HS-267D[注釈 4]主制御器電動カム軸式間接自動加速(AL)式の日立製作所MMC-H-200Bとなった。台車も主電動機の関係でD-16Aに交換されている[6][8]1969年(昭和44年)には京王線のATS運用開始に伴い、関連機器を搭載している。

1972年(昭和47年)7月に小手荷物輸送が廃止された[9]後は、桜上水工場の入換車および深夜のATS試験車、工臨牽引車として使用された[6][10][11]

1982年(昭和57年)1月にデハ2711の改造車であるデワ221が投入された際、同車に合わせてブレーキ方式が自動ブレーキから電磁直通ブレーキ(HSC)に改造され[12]、車体色もグレーとなった[6]

1986年3月10日付で廃車された[1]

脚注




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