ロータス・63 ロータス・63の概要

ロータス・63

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/17 06:21 UTC 版)

ロータス・63
カテゴリー F1
コンストラクター チーム・ロータス
デザイナー コーリン・チャップマン (テクニカルディレクター)
モーリス・フィリップ英語版 (チーフデザイナー)
先代 49
後継 72
主要諸元[1]
シャシー アルミニウムモノコック.
トレッド 59 in (1,499 mm)
ホイールベース 98 in (2,489 mm)
エンジン フォード コスワース DFV 2,995 cc (183 cu in) V8, NA, ミッドエンジン.
トランスミッション ヒューランド-ロータス 5速 MT. 四輪駆動.
重量 600 kg (1,323 lb)
燃料 シェル
タイヤ ファイアストン
主要成績
チーム ゴールドリーフ チーム・ロータス
エキュリー・ボニエ英語版
ドライバー ジョン・マイルズ英語版
マリオ・アンドレッティ
ヨアキム・ボニエ
初戦 1969年フランスグランプリ
出走優勝表彰台ポールFラップ
70000
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開発

モータースポーツ史上特異なタービン車の1台としても知られるインディ500用のロータス・56(および、F1向け改修版の同56B)と同様に、当車は四輪駆動である(ただし、当車のエンジンはオーソドックスなレシプロエンジンである)。

四輪駆動のフォーミュラカーは1961年にオウルトン・パークで優勝した(F1選手権ではない)ファーガソン・P99英語版等といった存在があるので、とりたてて斬新あるいは新奇なアイディアというわけではない。しかしその一方で、そう大きく開発が進んだり広まったりしたわけでもなく、成功し定着した設計というわけでもなかった。実際、四輪駆動車によるF1世界選手権でのポイントは、ジョニー・セルボ=ギャバン1969年カナダグランプリで6位に入賞したマトラ・MS84によるものが唯一の獲得であって、ロータスマクラーレンコスワースのいずれも四輪駆動車でポイントは獲得できていなかった。

63は49の進化型であったが、ウェッジ型の車体後部と一体化したウィングを特徴としており、それらは後にロータス・72で大きな効果を発揮した。

プラクティスで63をドライブするグラハム・ヒル1969年オランダグランプリ
マリオ・アンドレッティのドライブする63、1969年ドイツグランプリ

ロータスのサードドライバー、ジョン・マイルズ英語版はマシンの開発を託されていたが、グラハム・ヒルヨッヘン・リント1969年シーズン序盤は49を使用していた。63はドライブとセットアップの困難さが判明し、四輪駆動システムは特に問題があった。テストドライブの後、ヒルは63を「デストラップ」(危険な乗り物)と表現した。後にオウルトン・パークで63の最高位を獲得するリントもヒルに同意した。このことはチャップマンを激怒させた。彼は63を、前作の49がそうだったようにライバルよりも飛躍したマシンと見なしていた。

63は1969年イギリスグランプリでテスト走行した。リントは古い49で4位に入り、マイルズはホームグランプリで63を10位に導いたが、競争力が無いことを確認した。無駄に終わった何度かのレースの後、63は放棄されたが、シャシーデザインの一部は1970年にデビューしたロータス・72に組み込まれた。

四輪駆動技術は1971年ロータス・56Bで再びF1に持ち込まれた。

ロータス・88の様に四輪駆動車はロータスにとって「巨大な白い象」(厄介者)であることが判明したが、それはより良いモデルが追随する道を開くこととなった。

F1における全成績

(key) (太字ポールポジション斜体ファステストラップ

チーム エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 ポイント 順位
1969年 ゴールドリーフ チーム・ロータス フォード コスワース DFV F RSA
ESP
MON
NED
FRA
GBR
GER
ITA
CAN
USA
MEX
42 3位1
ジョン・マイルズ英語版 Ret 10 Ret Ret Ret
マリオ・アンドレッティ Ret Ret
エキュリー・ボニエ英語版 ヨアキム・ボニエ Ret

^1 全てのポイントはロータス・49による。


  1. ^ Lotus 63”. www.StatsF1.com. 2010年10月9日閲覧。


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