レターボックス (映像技術) レターボックスの実例

レターボックス (映像技術)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/03 06:20 UTC 版)

レターボックスの実例

テレビ番組
ハイビジョン映像のダウンコンバート映画作品などの4:3より横長の画面向けに制作された映像ソースをスタンダードサイズでアナログ放送するために4:3画面サイズ用に変換する際の手段の一つとしてレターボックス形式を用いる。
デジタル放送では、映像ソースがレターボックスの形になっているものには放送信号のアスペクト比とは別の付加情報としてレターボックスを示す識別情報が付いているものもある。ワイドテレビ向けに設定されたチューナやデジタル放送チューナを内蔵した16:9の画面を持つテレビでは映像信号を拡大(縦の場合で1.3倍)し、はみ出た部分(本来の動画部分ではない余白の部分)をカットする処理を行った上で動画部分のみを16:9の映像としてきっちりと画面に収まるように表示する。この放送形態の番組を4:3サイズのNTSC受像機にデジタルチューナーやセットトップボックス=ケーブルテレビIP放送用を外付け接続した受信環境で視聴した場合は、通常のレターボックス16:9での番組(付加情報としてレターボックスを示す識別情報が付いていない番組)と同じ表示になる。
なお、レターボックス形式の映像をズーム表示した場合はズーム後の映像の解像度は元の映像より低下することになる。本来は識別情報を受けて映像を拡大しサイズ変換に伴って失われた解像度を補完することで高精細度映像放送を実現するワイドクリアビジョンを前提にした仕組みだが、現行の地上デジタル放送の導入に伴い現在ではワイドクリアビジョンのフル機能に対応したテレビは販売されることは少ない。
2011年7月24日までに放送を終了の地上アナログ放送では2009年7月から段階を追って順次一部の番組をレターボックス放送に変更しており、その後NHK九州朝日放送では2010年3月29日から、日本テレビでは2010年4月5日から生放送番組や報道番組などの一部を除く全番組のアナログ放送がレターボックス放送に移行している。なお、「つなげよう ecoハート」や「2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会」では生放送でもレターボックスを使用していた。九州朝日放送では生放送番組や報道番組などを含むすべての自社送出番組。4:3で制作された番組にも独自にサイドパネルを付けてレターボックスで放送。テレビ朝日からなどの同時ネット番組は除く。
そして2010年7月5日からは地上アナログで放送される全番組をレターボックス放送に変更した[1]。NHKはアナログ放送のほか、NHKワールドTV(PAL方式のSD放送)のごく一部の番組とNHKワールド・プレミアムのSD4:3サイズで製作されたものと国際放送独自番組を除いたすべての番組も含む。一部のコマーシャルや地方局で放送されるテレビショッピング番組、またNHK教育の再放送番組(これらは旧来のSD4:3サイズで製作されたもの)、独立U局のSD4:3サイズ製作の大部分の番組(一部ハイビジョン番組も引き続きサイドカット)は従来と同じ4:3サイズで、NHK総合大河ドラマと一部の番組宣伝は2010年12月まで14:9のセミレターボックスで放送されていた。
遅れネットの番組では、制作局で7月4日までに放送された番組が現在[いつ?]でも放送されているため、テロップがサイドカットを意識した配置となっているため、デジタル放送で視聴すると違和感のある位置にテロップが表示される場合があった。またコマーシャルについては、従前の4:3サイズで製作されたものがあり、それに関してはレターボックス16:9ではなく、CM中は原則としてアナログ終了のアナウンス表示を消去していた。ただしアナログ放送の終了が東日本大震災のため延期された岩手県宮城県福島県に関しては、7月24日正午以後はCMも含めレターボックス16:9とし、アナログ終了のアナウンス表示も常時行われた。
これに準じ上下の帯を少なくし、左右を少々カットする「セミレターボックス」(14:9や13:9)といわれるものもある。
2011年7月24日から、遅いところでも2015年3月末まで(一部4月に延期した局もある)、デジタル放送への円滑移行を念頭において実施されたケーブルテレビデジアナ変換でもアナログのチャンネルではレターボックス16:9を採用していた。なお宮古テレビ石垣ケーブルテレビ琉球朝日放送のアナログ再放送については、アナログ放送の中継局が設置されなかったための補完として、放送開始当初からこのレターボックス16:9によるデジアナ変換でのみ視聴できた。
地上波に限れば地上デジタル放送への移行期以前の1990年代中盤からレターボックスで放送される番組は少ないながら存在した。
VHSソフト
映画作品は大概スタンダードサイズのテレビより横長のため、上下に黒帯を付加して本来のアスペクト比を維持する。
DVDソフト
映画作品を収録したDVDビデオソフトの大半は、【LB】か【16:9 LB】の表示が付いている。DVDビデオは本来の映像がスタンダードサイズ、ワイドサイズを問わず全てがスタンダードサイズの解像度(NTSC下では720×480)で記録されており再生時の画面アスペクト比の情報が別に保持されている。従って、ワイドサイズの映像をスタンダードサイズテレビに映し出すときは垂直解像度が360本で上下に黒帯が付加された映像(=レターボックス)が表示される。レターボックスで記録されたDVDには機器には、あらかじめレターボックス化された映像が記録されている。再生時に機器による変換が行われる例は、スクイーズ方式で記録された場合となる。
【LB】:ビスタサイズ(16:9)などスタンダードサイズ(4:3)よりも横長の映像に上下に黒帯を付加してスタンダードサイズに合わせた画面アスペクト比で記録されている。スコープサイズ(2:1以上)をスクイーズを併用した記録を行った場合は、【16:9 LB】ではなく【LB】表記となる。その場合、【16:9 LB】記録より追加する黒帯部分は小さくなる。
【16:9 LB】:スコープサイズ(2:1以上)のような通常のワイドサイズ(16:9)に比べ横が広い画像に対して上下に黒帯を付加し、スクイーズ記録されている。



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