レターボックス (映像技術) レターボックス (映像技術)の概要

レターボックス (映像技術)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/03 06:20 UTC 版)

名称の由来は画面中における映像としての有効部分が書簡(letter)を折りたたんだ形状、あるいは封書(sealed letter)の一般的な形状に似ていることによる(詳細については名称の由来についてを参照)。

概要

映像メディアの分野では、その技術の発展の経緯の中で基準とされる画面サイズが幾つか提唱・策定されてきた。現在においては概ねスタンダード・ビスタ・シネマスコープ(シネスコ)の3方式サイズに集約されて定義されていて、それぞれ画面サイズアスペクト比が異なる。テレビ放送の番組や映画作品、DVDソフト、ビデオソフトなどの製作・表示画面サイズや映像表示機器の規格もこれらが基準になっていて対応関係はスタンダードサイズが4:3画面サイズにビスタサイズが16:9画面サイズ相当にそれぞれ対応している。従ってある作品を画面サイズの異なった映像表示機器で表示する必要もあり、そのための工夫としての互換表示規格が幾つか生まれた。その一つがレターボックスと呼ばれる表示形態になる。関連が強い規格にピラーボックス(サイドパネル)、スクイーズがある。詳細については当該関連項目を参照。

一般的には画面サイズ比率(アスペクト比)が16:9のものを4:3のものへ収めたものをレターボックスという場合が多いが、16:9よりもさらに横の比率が大きいシネマスコープサイズものを16:9サイズに収めたものもレターボックスにあたる。

映像部分以外に黒枠が付く場合は、

     
 
 
  • ビスタサイズやシネスコサイズの撮影映像をスタンダードサイズ向けに表示した時に上下に黒枠が付いた状態のもの。 ⇒ 例1(レターボックス)


     
  • スタンダードサイズの映像をそれ以外のサイズ(主にビスタサイズ)向けに表示したときに左右に黒枠・任意の画像等が付いたもの ⇒ 例2(ピラーボックス・逆レターボックス・サイドパネル)

の以上2通りが基本形となる。レターボックスと呼ばれるのは前者のみである。

後者はピラーボックスと呼ばれる。ピラーボックスのことを英語文ではしばしば「Reversed letterbox(逆レターボックス)」という表現をしている場合もあるが、あまり一般的ではない。日本では左右のサイドに黒色のパネルをつけたように見えることからサイドパネルと呼んでいる。

また両例のそれぞれの場合で、映像ソース作成時にサイズ調整の為に黒い部分を付ける場合と画面サイズ情報が異なる映像信号を受信した場合に機器側が自動的に付ける場合がある。そのため両例が複合された状態が発生し、上下左右に黒枠が付いて額縁状態になる場合もある。これは多くの場合、映像ソースの提供側の事情によるものであり、CMによくみられる。これらは専門用語では正しくはウィンドウボックスと呼ばれる。日本では一般的には額縁放送、額縁画面などと呼ばれることが多い。

 
 
 
 
 
  • 前述例1を画面比16:9のワイドサイズ画面で見た場合
 
 
     
 
 
  • 前述例2を画面比4:3のノーマルサイズ画面で見た場合

名称の由来について

この種の語はここで説明しているレターボックスと同様に映像画面の形状タイプを表す語であるピラーボックスやウィンドウボックスと同様に既存の「○○ボックス」という語を当てはめたものではなく映像画面の形状を示す語として「○○」+「ボックス」を組み合わせた語を新たに創造したもの、つまり「レター(letter)状のものが表示されている画面」という意味を表している。

なお、映像画面の形状を表すレターボックスの名称の由来として「封筒はレターボックスとは呼ばない。レターボックスとは英国では家庭にある郵便受け、米国では街角にある郵便箱のことをさし一般的にこれらを横から眺めると横長長方形の形状をしていることから、それが由来である」という説も見受けられる。これについては「封筒をレターボックスとは呼ばない」のは事実であるが「この類の一連の語(レターボックス、ピラーボックス、ウィンドウボックス)は、既存の単語(固有名詞)をそのまま流用したものではない」という前提がありこの説は後付の推論的な誤解釈が流布したものである。




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