メロゴニー メロゴニーの概要

メロゴニー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 00:14 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

アピコンプレックス門

メロゴニーを行う際の具体的な分裂様式として、アピコンプレックス門ではシゾゴニー、内生二分裂、内生多分裂などが存在する[2][3]

内生二分裂(endodyogeny)
DNA複製、閉鎖型の有糸分裂、娘細胞形成が順次行われる。真核生物一般に見られる体細胞分裂との違いは、細胞質を2分割するのではなく、細胞質中に娘細胞を組み立て母細胞は破壊される点である。
内生多分裂(endopolygeny)
内生二分裂と同様に細胞質中に娘細胞を組み立てるが、同時に多くの娘細胞が生じる点が異なる。娘細胞形成に先だってDNA複製が複数回行われており、細胞核の分裂が起き多核体となる場合(トキソプラズマ)と細胞核が分裂せず多倍数性となる場合(肉胞子虫)がある。
シゾゴニー(schizogony)
DNA複製と閉鎖型の有糸分裂を複数回繰り返して多核体となったあと、同時に娘細胞形成が行われる。細胞質を共有しているにもかかわらず、それぞれの核は自律的非同期的に分裂を行う。そのため生じる娘細胞の数は2のべき乗とは限らない。娘細胞は母細胞の表層で組み立てられ出芽する。

このうちシゾゴニーが最も一般的であることから、メロゴニーと呼ぶべき所をシゾゴニーと呼び、したがってメロントに相当するものをシゾント(schizont)と呼ぶ場合がある。しかしメロゴニー以外にガメトゴニーやスポロゴニーでも分裂様式はシゾゴニーである場合があり、生殖相と分裂様式を混同すべきでない。

アピコンプレックス門の標準的な生活環では、オーシストまたはその中のスポロゾイトが宿主体内に入ると、スポロゾイトが細胞に侵入しメロゴニーを行って個体数を増やす。アイメリア科の場合は小腸上皮細胞が標的となり、その結果下痢などを引き起こす。マラリア原虫の場合はまず肝細胞でメロゴニーを行い、続いて赤血球が標的となり発熱貧血を引き起こすことになる。いずれの場合も、メロゴニーの結果として宿主細胞が破壊されることが直接の原因である。

関連項目



  1. ^ Levine, N.D. (1971). “Uniform terminology for the protozoan subphylum Apicomplexa”. J. Protozool. 18 (2): 352-355. doi:10.1111/j.1550-7408.1971.tb03330.x. 
  2. ^ Striepen B, et al. (2007). “Building the perfect parasite: cell division in Apicomplexa.”. PLoS pathog. 3 (6): e78. doi:10.1371/journal.ppat.0030078. 
  3. ^ Ferguson, DJP, et al. (2007). “Enzymes of type II fatty acid synthesis and apicoplast differentiation and division in Eimeria tenella”. Int. J. Parasitol. 37 (1): 33-51. doi:10.1016/j.ijpara.2006.10.003. 


「メロゴニー」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「メロゴニー」の関連用語

メロゴニーのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



メロゴニーのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのメロゴニー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS