ムラサキヘイシソウ ムラサキヘイシソウの概要

ムラサキヘイシソウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/07/25 21:06 UTC 版)

ムラサキヘイシソウ
蕾が上がっている株
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
: ツツジ目 Ericales
: サラセニア科 Sarraceniaceae
: サラセニア属 Sarracenia
: ムラサキヘイシソウ S. purpurea
学名
Sarracenia purpurea L.
和名
ムラサキヘイシソウ
英名
common pitcher plant, dumbwatches, frog's bichers, flytrap, huntsman's-cup, Indian cup, sideaddle flower, southern picher plant, sweet pitcher plant[1]

特徴

多年生草本で、袋状の葉をつけ、虫がその中に落ちる落とし穴式の食虫植物[2]。葉は円筒形で、まっすぐには立ち上がらず、斜め上に伸び、長さは30cmほどで径は5-10cmになる。葉色は緑に紫色が乗り、また網目状に紫の筋模様が入る。日当たりが悪いと紫が出にくい[3]。筒状部は太い袋状で、腹側(内側)に幅広い翼がある。筒状部の先端にある蓋は、大きいが直立しており、口を覆うようにはならない。蓋の形は腎臓型、長さは2-5cm[4]

花茎は高さ15-70cm、花弁は長さ3-6cm、幅は1.5-2.5cm、は長さ2-4cm、幅1.5-3.5cm[5]。花弁は中央が左右からくぼんだバイオリン型をしており、色は桃色から淡紅色、暗赤色などだが、まれに黄色のものがある。

名称

和名は上記の通りだが、園芸面などで学名仮名読みのサラセニア・プルプレアも広く用いられる。ちなみに英名はやたらに多く、上掲のようなものがあげられている。ちなみに pitcher plant はヘイシソウ属一般の英名である。

分布

北アメリカの東岸全域、五大湖周辺から北はカナダに跨る分布域を持ち、これはこの属の分布域としては最大である[6]

下位分類

本種はこの属のタイプ種であり、また分布も広く、変異も大きい。大まかには北方のものは小型で緑が強く、南方のものは大型で赤みが強いと言われる[7]。 以下の2亜種に分けられる場合がある[8]

  • S. purpurea
    • ssp. purpurea:北方系の亜種で、分布域はニュージャージー州以北。葉が硬く、全体に光沢があり、蓋の部分が葉全体の1/3以下。
    • ssp. venosa:ニュージャージー州以南に分布。葉が柔らかでふっくらした形で、蓋の縁は波打つ。また、外面に毛が多い。

これらには葉色が紫にならないものなどの変種も知られている。

利用

観葉植物として栽培される。特に本種はこの属の中では北方まで分布するもので、耐寒性が強い。日本には明治時代中頃に渡来した[9]。広く流通しているのは上記の亜種で言えば ssp. purpurea の方、つまり北方系の系統である[10]


  1. ^ 園芸植物園芸植物大事典(1994),p.1080
  2. ^ 以下の記載は園芸植物園芸植物大事典(1994),p.1081
  3. ^ 近藤・近藤(2006)p.102
  4. ^ 近藤・近藤(2006)p.102
  5. ^ 近藤・近藤(2006)p.102
  6. ^ 田辺(2010),p.112
  7. ^ 園芸植物園芸植物大事典(1994),p.1080
  8. ^ 田辺(2010),p.112
  9. ^ 本田他(1984)p.94
  10. ^ 土居(2014)p.22


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