マサイ語 文法

マサイ語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/15 20:49 UTC 版)

文法

名詞

名詞には男性と女性の区別があり、それらは接頭辞で表される。男性名詞にはɔl-, ol-, ɔ-, o-、女性名詞にはɛn-, en-, ɛ-, e-, ɛm-, em-, ɛnk-, enk-といった接頭辞がそれぞれ語根に付加される。

基本的には単数形に接尾辞をつけて複数形を作るが、語によっては複数形に接尾辞をつけて単数形を表す場合もある[9]。なお、接尾辞の形は語によって様々で一定しない[9]。また、一部の語彙は単数形と複数形とで大きく形が異なる(例: olchani : ilkeek 〈木〉; enkiteng' : inkishu 〈牝牛〉)。

対格主格は同じ形だが、声調の違いにより弁別がなされる場合が多い。

形容詞

名詞同様に形態的な単数・複数の区別や声調による主格と対格の区別がある。形容詞が名詞を修飾する場合は名詞の後ろに置かれる。

動詞

動詞の活用は人称を表す接辞がつくタイプのものである。他動詞には以下のように、主語目的語の呼応による複雑な変化が見られる[10][11]

-lam 〈避ける〉
目的語
一人称単数 二人称単数 三人称
主語 一人称単数 - áá-lám á-lám
二人称単数 kɨ́-lám - ɨ́-lám
三人称単数 áa-lâm kɨ́-lám ɛ́-lám

語順

語順は基本的にはVSO型である[12][1]が、SとOの位置を交換する事は可能である[13]


  1. ^ a b Lewis et al. (2015).
  2. ^ 稗田(1992)。
  3. ^ a b 稗田 (1992:60)。
  4. ^ Allan (1990:179).
  5. ^ Mol (1996), p. iv.
  6. ^ Hodgson (2001:279).
  7. ^ Mol, op. cit., p. iv. 但し、マサイ語の存在自体はそれ以前の1847年にRobert Gordon Latham (enによって既に他のアフリカの言語群と一まとめの形で西洋に紹介されている。詳細は#外部リンクGlottologを参照。
  8. ^ a b c d e f g Payne & Ole-Kotikash (2008).
  9. ^ a b 稗田 (1995)、53頁。
  10. ^ 稗田(2001:526)。
  11. ^ 4. Maasai Words (Morphology) (In Maa Language Project.) 2016年10月19日閲覧。
  12. ^ Dryer (2013).
  13. ^ 稗田 (1992:61)。
  14. ^ ジョゼフ・レマソライ・レクトン『ぼくはマサイ ライオンの大地で育つ』さえら書房、2006年、161頁。ISBN 4378034042
  15. ^ 杜 (2015:118)。
  16. ^ a b 杜 (2015:119)。
  17. ^ 杜 (2015:124)。
  18. ^ a b 杜 (2015:128)。
  19. ^ 杜 (2015:42)。
  20. ^ 杜 (2015:39)。
  21. ^ 杜 (2015:46)。
  22. ^ 杜 (2015:33)。
  23. ^ 杜 (2015:54)。
  24. ^ 杜 (2015:53)。
  25. ^ 杜 (2015:67)。
  26. ^ a b 杜 (2015:70)。






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マサイ語」の関連用語

マサイ語のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マサイ語のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマサイ語 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS