フルート協奏曲第2番 (モーツァルト) フルート協奏曲第2番 (モーツァルト)の概要

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > フルート協奏曲第2番 (モーツァルト)の解説 > フルート協奏曲第2番 (モーツァルト)の概要 

フルート協奏曲第2番 (モーツァルト)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/20 16:02 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。

概要

ボン出身でオランダ東インド会社に勤務しフルートの愛好家であった裕福な医師フェルディナント・ドゥジャン(Ferdinand Nikolaus Dionisius Dejean)という人物の注文で作曲されたフルート作品の1曲であるが、この協奏曲が前年に作曲したオーボエ協奏曲を編曲したものであったため、報酬は約束の半分以下しか受け取れなかった、とされる。

オーボエ協奏曲はハ長調であるが、フルート協奏曲へ編曲する際には長2度上げてニ長調にしている。また、独奏フルートのパートには細かい変更が加えられている。

古今のフルート協奏曲の中でも、演奏会や教育の現場において頻繁に取り上げられる。

編成

独奏フルート、オーボエ2、ホルン2、ヴァイオリン2部、ヴィオラ、低弦(チェロコントラバス

構成

3楽章からなる。演奏時間は約20分。

  • 第1楽章 アレグロ・アペルト ニ長調 4分の4拍子 協奏風ソナタ形式
    〈アペルト〉とは〈開放的な〉という意味で、はじめにヴァイオリン部が主となって提示する第1主題は、若々しく威勢のいいもので、3和音的に上へ上へと伸びてゆく。これに対し、第2主題はやはりヴァイオリン部による下降する美しい旋律である。こうして管弦楽による第1提示部を終え、独奏フルートが登場するが、ド・ド-・シドレミファソラシド--という出だしは青春の輝きそのもののような素晴らしい効果を生んでいる。この輝かしい出だし後のフルートのドの持続音の陰でヴァイオリン部による第1主題が、回想のように繰り返されるところも効果的。そのあと、フルート独奏の華やかな経過句に移って、属調のイ長で第2主題、さらにコデッタと続いてゆく。
    展開部は、この時期のモーツァルトの他の協奏曲によくある短いもので、第2提示部でフルートが奏でた経過句の中の動機が主に扱われる。型通りの再現部とカデンツァ、それから短いコーダで華やかに曲を終える。
  • 第2楽章 アンダンテ・マ・ノン・トロッポ ト長調 4分の3拍子 ソナタ形式
    やや自由なソナタ形式。管弦楽の朗々たる序奏がまずあり、それからフルート独奏が哀愁をおびた第1主題を奏ではじめる。つぎに、属調のニ長調に転じて、フルートとヴァイオリン部の二重唱のような形で、これも哀切な第2主題が現れる。展開部は短い中間部(フルートのカデンツァ風の楽句)になっており、再現部では序奏主題と第2主題だけを再現し、それに第1主題に基づくコーダが添えられているので、全体として変則的なロンド形式と見ることもできる。
  • 第3楽章 アレグロ ニ長調 4分の2拍子 変則的なソナタ形式
    ロンド風ソナタ形式で、調性関係など、かなり自由なところが目につく。はじめにフルート独奏が溌溂とした第1主題を奏で、続いてオーボエとホルンに副主題が現れる。これが一段落したところで再びフルート独奏により第2主題が歌われる。
    フルート独奏が主役を演じる展開部で、既出の主題の技巧的展開が行われるところは、ベートーヴェンの中期以降のロンド・フィナーレを予告しているともいえる。それが終わると再現部となり、カデンツァを経てコーダへと進み、最後にもう一度、第1主題が顔を出して華やかに曲を閉じる。

参考文献

  • 『作曲家別名曲解説ライブラリー13 モーツァルトI』(音楽之友社





「フルート協奏曲第2番 (モーツァルト)」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フルート協奏曲第2番 (モーツァルト)」の関連用語

フルート協奏曲第2番 (モーツァルト)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フルート協奏曲第2番 (モーツァルト)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフルート協奏曲第2番 (モーツァルト) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS