ネグロイド 解剖学的な特徴

ネグロイド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/12 06:03 UTC 版)

解剖学的な特徴

頭部はいわゆる、長頭である。グラベラが発達し、オトガイは後退気味である[3]。頭部全体は小さめである[4]

手足が長く、特に膝から下が長い[3]。手首、足首は細い[4]

腸腰筋が発達しており、骨盤が前傾している。腸腰筋はももを引き上げる役割がある。

骨密度が高く、骨粗鬆症になりにくい[5]

西アフリカのネグロイドは瞬発力に優れると言われており[6]、実際もオリンピックなどの世界的な大会において西アフリカにルーツを持つ選手が短距離走などで上位を独占している。東アフリカのネグロイドは持久力に優れると言われており[6]、マラソンなどではケニアやエチオピアにルーツを持つ選手が世界的な大会で上位を独占している。(マラソンの世界ランキング上位100選手を輩出する率は、平均を1とした場合、ケニア全体で6.03、内陸部のナンディ人は22.9と言う驚くべき数字が確認されている)。これらは異なる国や環境のもとで育ったアフリカ系移民の間でも同様に高い確率で優れた選手が輩出されている。このことから遺伝的に、精神的かつ肉体的な優位性が元々備わっているという可能性も示唆されていたが、オリンピックのメダル数に関する統計が一般化したことから現在[いつ?]では黒人の身体能力は極めて限定的な領域でしか発揮されていないことがデータによって明らかにされている。

遺伝子

アフリカ大陸のY染色体ハプログループ

ネグロイドは出アフリカをせず、アフリカにとどまったグループである。人種を特徴づけるY染色体ハプログループとしてABEが挙げられる[7]。ネグロイドを除いた現生人類の核遺伝子には絶滅したネアンデルタール人類特有の遺伝子が1 - 4 %混入しているとの研究結果もあるため、ホモ・サピエンスの原型により近いとも言える。

古代ローマにおけるネグロイド観

2世紀のローマ帝国の有名な学者ガレノスは、厚い唇、広い鼻孔、縮れた頭髪、黒い目、しわのある手と足、薄い眉毛、とがった歯、長い陰茎、際立った陽気さを、黒人男性の10の特徴として列挙している。そして、この際立った陽気さが「欠陥のある頭脳とそれに由来する知性の弱さゆえに、黒人男性を支配している」と彼は述べている[8]。1世紀のプリニウスは、エティオピアの地誌を記載している『博物誌』6巻195節において「西の方にニグロイ族がおり、その王はただひとつの眼が額にある。主にヒョウやライオンの肉を主食としている「野獣食人」、何でもかんでも貪食する「貪食族」、その食事が人肉である「食人族」」がいる、と後述のイブン・ハルドゥーンの記載と類似する内容を記載している。


注釈

  1. ^ 戦前の日本では英語風の「ニグロイド」の訳語として「ニグロ人」という呼称も使われていた。例えば、1921年(大正10年)11月6日付の大阪毎日新聞掲載記事「船主と船員の争議頻発」では「…米国に航して亦ニグロ人を雇傭し更にスエズでアラビヤ人を雇替え…」との記述が見られる。

出典

  1. ^ 米山俊直『アフリカ学への招待』日本放送出版協会 NHKブックス 503 1986年6月 ISBN 9784140015032
  2. ^ 寺田和夫『人種とは何か』
  3. ^ a b 『日本人の顔 小顔・美人顔は進化なのか』 埴原和郎/著 講談社 1999年1月 ISBN 978-4-06-269048-5
  4. ^ a b 『勝ちにいくスポーツ生理学』 根本勇/著 山海堂 1999年9月 ISBN 978-4-381-10346-8
  5. ^ メルクマニュアル家庭版 60章 骨粗しょう症
  6. ^ a b 『黒人はなぜ足が速いのか』 若原正己/著 新潮社 2010年6月 ISBN 978-4-10-603663-7
  7. ^ 崎谷満『DNA・考古・言語の学際研究が示す新・日本列島史』(勉誠出版 2009年)
  8. ^ a b c ロナルド・シーガル著、設楽國廣訳『イスラームの黒人奴隷』明石書店 1993年9月 ISBN 9784750325675
  9. ^ Elias, Abu Amina (2016年1月4日). “Farewell Sermon: No one is superior to another except by good deeds” (英語). Daily Hadith Online. 2019年1月15日閲覧。
  10. ^ 保坂修司 (2020年7月22日). “アラブ世界に黒人はいるか、アラブ人は「何色」か、イスラーム教徒は差別しないのか”. ニューズウィーク日本版. 2020年7月25日閲覧。
  11. ^ a b c d 佐藤次高鈴木董『都市の文明イスラーム 』講談社現代新書―新書イスラームの世界史 1993年9月 ISBN 4061491628
  12. ^ イブン・バットゥータ、家島彦一、『大旅行記8』東洋文庫、平凡社
  13. ^ カブラルと対立したヴァリニャーノの記述による。松田毅一「南蛮史料の発見 よみがえる信長時代」 中公新書 1964,95-6頁
  14. ^ 高橋裕史『イエズス会の世界戦略』(講談社選書メチエ)、講談社、2006年.p34
  15. ^ 高橋同書、p/36
  16. ^ 高橋同書、p/35
  17. ^ 藤田みどり『アフリカ「発見」』岩波書店など
  18. ^ Bureau of Labor Statistics, U.S. Census Bureau Survey, May 1995.





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