チベット仏教
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/18 07:43 UTC 版)
チベット仏教の宗派
四大宗派
ニンマ派、カギュ派、サキャ派、ゲルク派を、チベット仏教の四大宗派と呼ぶ。
- ニンマ派 - 「古派」の意[13]。パドマサンバヴァを宗祖とし、古代王朝時代に導入されたとされる古訳のタントラ群(ニンマ・カマ)と埋蔵教典(テルマ)に依拠する[注 4]。
- カギュ派(カギュー派) - マルパ、ミラレパを宗祖とする。カルマ派、ツェルパ・カギュ派、ディクン・カギュ派、ドゥク派、パクモドゥ派などの多数の支派に分かれている。詳細は「カギュ派」の項を参照のこと。
- サキャ派 - 元朝の時代にはチベットに政権を確立し、サキャ・パンディタやフビライ・ハーンの帝師パクパが出た。
- ゲルク派 - ツォンカパを宗祖とし、秘密集会タントラを重視している。ダライ・ラマ、パンチェン・ラマが属する。近世以降の最主流派。
- カダム派(カーダム派) - アティシャを中心とする運動。ゲルク派は、この宗派の後継者を自認する。四大宗派のすべてに影響を与えた後、ゲルク派が新カダム派、ガンデン流として教団組織化した。現在この宗派は存在していない。
その他
上記以外にも、シャンパ・カギュ派、シチェ派、チュウ派などの現在は独立した宗派としての組織を持たない伝統や、近年復興運動が起こっているチョナン派などが存在する。
また、ゲルク派の保守勢力の間で護法尊または怨霊とされるシュクデンの崇拝が行われており、彼らをさしてシュクデン派と呼ぶことがある。現在、シュクデン信仰はダライ・ラマ14世によって禁じられており、それによってシュクデン派はチベット仏教の主流派からは異端とみなされている。一方、シュクデン派はニュー・カダンパ・トラディション(国際カダム派仏教連合)ウェスタン・シュクデン・ソサエティーといった団体を結成し、チベット仏教主流派に対抗する活動を行っている。
注釈
出典
- ^ 吉村 2014, pp. 362–363.
- ^ 世界大百科事典 第2版『北伝仏教』 - コトバンク
- ^ 吉村 2018, p. 32.
- ^ 世界大百科事典 第2版『ラマ教』 - コトバンク
- ^ 『岩波 仏教辞典 第2版』 1037-1038頁、「ラマ教」。
- ^ 石濱 2014, p. 90.
- ^ “The religion of Keanu Reeves, actor”. Adherents.com. 2019年4月27日閲覧。
- ^ Tibetan buddhist in hollywood. www.hollywood.org[リンク切れ]
- ^ “中国政府、チベット高僧の転生に事前申請を要求”. AFPBB News. (2007年8月4日)
- ^ 吉村均『チベット仏教入門』筑摩書房〈ちくま新書〉、2018年
- ^ 高山文彦『麻原彰晃の誕生』文藝春秋〈文春新書〉、2006年2月20日。ISBN 978-4-16-660492-0。[要ページ番号]
- ^ “弥勒祈願祭”. 文殊師利大乗仏教会. 2019年4月27日閲覧。
- ^ 福田 2014, p. 221.
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