シュレッダー ペーパーシュレッダー

シュレッダー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/18 15:56 UTC 版)

ペーパーシュレッダー

スパイラルカットシュレッダー
ペーパーシュレッダーの例

ペーパーシュレッダーとは不要書類の整理もしくは処分のための装置[1]。書類裁断機ともいう[1]プライバシーの保護や情報漏洩の防止のために用いられる。細断はA4サイズならば1300前後の紙片になる。元来英語でシュレッダーといえばキャベツの千切り機であったが、普及するにつれて英語においてもシュレッダーが書類細断機の意味としても認知されるようになった。ごみ箱付[1]やレターオープナー付[1]の製品もある。

1909年アメリカの発明家 Abbot Augustusが特許を取得、1935年にパスタメーカーを基にしたシュレッダーがドイツで製造された。1959年にオリエンタルが日本製の第1号機を開発・設計・製造し、1960年にはMSシュレッダーとして、明光商会が販売開始した。

高度情報化社会の中で情報漏洩の危険などに対する意識の高まりと共に次第に受け入れられ、特に2005年からの個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)の施行により、一気に企業への普及が進んだ。現在ではVTRなど紙以外の記録媒体の処理用の機械も作られている。またパソコンの普及と共に、データをCD-R/DVD-RFDの形で保存する機会も増え、不要になったその種のメディアの処理が求められるようになってきた(特にCD-R/DVD-Rは消去不可なので、メディアがある限り残ってしまう[注 1]。このため、そういったメディアやクレジットカードなども裁断できるシュレッダーも普及し始めている(なお、通常のCDは強いハサミなら強制的に切ることも可能)。

元々は企業で機密書類を廃棄する前の切断処理に使われていたが、家庭ゴミ(ダイレクトメールや電気料金など毎月届けられる公共料金領収書など)からの住所や氏名などの個人情報流出が表面化したことから、個人情報が記載された書類の切断による機密保持を目的とした、個人(家庭)用の小型のシュレッダーも、家電量販店ホームセンターなどで発売されるようになっている。

シュレッダーの裁断方式には、大まかに分けて以下の3つがあるが、メーカーによって呼び方が若干変わる場合もある。また、業務用製品にはチェーンや歯車などを利用した引きちぎり方式や、溶解方式などのより大量・高機密性の用途に適した方式の製品もある。主に電動式だが、家庭用に安価な手動式の製品もある。

ストレートカット

縦に切るだけの製品。安価な製品、手回し製品に多い。あまり秘密保持能力はない。また、屑がかなりかさばるので、ごみの量がかなり多くなってしまう。

投入の向きも、セキュリティにおいて重要である。横書き書類を横書き状態で投入すれば、1行の文字が寸断されるため、ある程度復元困難になるが、横書き書類を縦書き状態で投入すると、一つの行がそのままつながった状態で裁断されてしまうため、裁断屑から情報を読み取られる可能性が高くなる。現在では後述するクロスカットが主流となっている。

クロスカット

ストレートカットに、一定間隔ごとに横にも切る機能を付けたもの。現在の主流。ワンカットクロスなどという用語が使われる場合もある。ダイヤモンド型にカットされるタイプもある。なお、価格やサイズと裁断寸法はあまり比例せず、卓上用でも細かく裁断できる製品も存在する。

スパイラルカット

明光商会の製品の用語では、2ミリ四方に切る、高性能な裁断方式をさす(右上画像の製品)。非常に秘密保持能力が高いが、銀行明細票などのかなり薄い紙だと上手く切れず、ストレートカットになってしまう場合がある。他のメーカーでは、やや正方形に近いクロスカット方式のことをさす場合もある。


注釈

  1. ^ 読み取り不可にする方法としてレーベル面をカッターなどで剥がしたり、 記録面をサンドペーパー等で擦って白く曇らせることなどが挙げられる[2]。この他には電子レンジマイクロ波を照射し、記録面をショートさせることで読み取れなくすることも可能であるが、わずか数秒の照射で発火する危険がある。また、手で破壊する方法もあるが破片が飛び散ったり、手をけがする恐れがあるので極めて危険である(市販のDVD-Rなどのブランクディスクメディアの使用上の注意には「手でディスクを割らないで下さい。破片が飛び散り、大変危険です」などと記載されている場合があり、メーカーなどの業界でも注意を呼び掛けている[3][4])。

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