クール・ビズ
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効果の試算・推計
実施率
- 環境省発表データ
- 環境省が2005年9月30日に実施したアンケート調査の結果[13]では、「COOL BIZ」の認知度は95.8%、「勤務先が例年より冷房温度を高く設定している」と回答した就業者の割合が32.7%だった。環境省は、このアンケートから二酸化炭素削減量は約46万トン-CO2と推計され、約100万世帯の1か月分のCO2排出量に相当するとしている。
- また、2006年9月27日 - 9月30日に実施したアンケート調査の結果[14]では、「COOL BIZ」の認知度は96.1%、「昨年又は今年から冷房の設定温度を高く設定している企業」は43.2%だった。環境省は、クール・ビズ開始前と比較して2006年の二酸化炭素削減量は、約114万トン-CO2と推計され、約250万世帯の1か月分のCO2排出量に相当するとしている。
- 内閣府発表データ
- 内閣府が2007年にまとめた世論調査ではクールビズを「詳しく知っている」「聞いたことがある」と答えた人は合わせて91.2%、この習慣に「非常に賛同する」「ある程度賛同する」との回答も83.5%に達した。また、クールビズを「実践している」と答えた人は46.6%で、2年前の調査から15.7ポイント上昇した。
- 一方、クールビズが始まった平成17年以降に「冷房時の室温を高く設定した」と答えた人は13.5%にとどまった。また、現在のオフィスなどの冷房温度設定が「28度」または「28度より高い」とした人も35.0%と約3割どまりだった[15]。
経済波及効果試算
経済産業省が実施した産業連関表による分析[16]によると、2005年の5月 - 7月の消費支出で「被服及び履物」が減少し、「クールビズ関連品目」がわずかに増加している。クールビズ関連品目のうち、ネクタイ、背広服が前年比マイナスとなっている一方、開襟シャツなどが含まれる「他の男子用シャツ」がプラスとなっている。これにより、1世帯あたりの消費支出が919円、「被服及び履物」の消費支出が約1.9%押し上げられたと試算されている。この場合の国内生産への波及効果は、全体で約180億円となっている。
第一生命経済研究所が試算したところによると、クール・ビズの実施によって衣類の買い換えが日本経済に与える経済効果は1,000億円以上と試算された。
日本建築学会は2008年に、神奈川県の電話交換手100人を対象に1年間かけた調査を行った。室温が25度から1度上がるごとに作業効率が2%ずつ低下し、冷房温度を28度とした場合、冷房の設定が25度の場合と比べ、軽装のみでは、能率低下で期間中、オフィス1平方メートルあたり約1万3000円の損失が出るという試算を発表した[17]。
注釈
出典
- ^ 『「夏の新しいビジネススタイル」愛称発表及び愛・地球博会場内での6月5日環境省関連イベントについて』(プレスリリース)環境省、2005年4月27日 。
- ^ “「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞”. 自由国民社. 2018年11月12日閲覧。
- ^ a b “夏のカイテキ、楽しくつくろう。COOL BIZ”. 環境省. 2012年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月26日閲覧。
- ^ 『平成24年度スーパークールビズの実施について』(プレスリリース)環境省、2012年5月25日 。
- ^ 『環境省におけるクールビズ服装の可否』(PDF)(プレスリリース)環境省、2012年5月25日 。
- ^ “「COOLBIZ TECH」事業とは”. 経済産業省. 2013年5月1日閲覧。
- ^ “暑さ指数(WBGT)とは”. 国立環境研究所. 2013年5月1日閲覧。
- ^ “熱中症予防情報”. 国立環境研究所. 2013年5月1日閲覧。
- ^ “採用情報に関するQ&A”. 人事院. 2018年11月12日閲覧。
- ^ “近畿中部防衛局におけるスーパークールビズの服装について” (PDF). 防衛省近畿中部防衛局. 2013年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月1日閲覧。
- ^ “防衛省官庁訪問の御案内”. 防衛省. 2016年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月13日閲覧。
- ^ a b “クールビズの期間設定廃止 ノーネクタイ、自分で判断―環境省”. JIJI.COM (時事通信社). (2020年3月31日) 2020年5月31日閲覧。
- ^ 『「COOL BIZ」の成果について』(プレスリリース)環境省、2005年10月28日 。
- ^ 『本年度の「COOL BIZ」の成果について』(プレスリリース)環境省、2006年11月10日 。
- ^ “クール・ビズに関する特別世論調査” (PDF). 内閣府 (2007年8月2日). 2010年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月19日閲覧。
- ^ “産業連関表からみる「クールビズ関連品目」の国内生産への波及効果”. 経済産業省. 2007年3月17日閲覧。
- ^ “クールビズ「28度では能率低下」…日本建築学会調査”. 読売新聞. (2008年7月18日)
- ^ “クールビズ反対:ネクタイ産地が動画製作 富士吉田商議所”. 毎日新聞. (2018年6月11日) 2018年6月23日閲覧。
- ^ “「断固反対!クールビズ」 ネクタイ産地があえて動画で発信するワケ”. ITmedia ビジネスオンライン (2018年6月14日). 2018年6月23日閲覧。
- ^ “室温36度の部署も 環境省“猛暑””. 47NEWS. (2006年8月1日). オリジナルの2012年6月20日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b FNNプライムオンライン編集部 (2019年7月8日). “クールビズからの転換!? 姫路市役所がエアコンの設定温度を「25℃」に下げた狙いを聞いた”. FNNプライムオンライン (フジテレビジョン) 2019年5月31日閲覧。
- ^ http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070809i313.htm[リンク切れ]
- ^ “亀井氏、クールビズ閣議に“造反” 「着せ替え人形じゃあるまいし」”. MSN産経ニュース. (2010年6月1日). オリジナルの2010年6月5日時点におけるアーカイブ。
- ^ “涼しかったけど…クールビズ国会、1か月前倒し”. 読売新聞. (2011年5月1日) 2011年5月3日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “クールビズキャンペーンは成功?”. Yahoo! JAPAN. 2018年11月12日閲覧。
- ^ “ソウル市の公務員に半ズボン・サンダルでの勤務許容…賛否分かれる”. 中央日報. (2012年5月22日) 2012年5月12日閲覧。
- ^ “倉庫のような会議室であいさつもせず 輸出規制巡る韓日初会合”. 聯合ニュース (2019年7月12日). 2019年12月29日閲覧。
- ^ “Hot workers urged to adopt cool Japanese summer dress code” (英語). 英国労働組合会議(TUC). 2008年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年5月15日閲覧。
- ^ “パチャウリ議長:「変えたいなら行動を」環境会議で講演”. 毎日新聞 2007年10月19日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “スペイン閣僚に「クールビズ紛争」発生 国際ニュース”. AFPBB News (フランス通信社) 2008年7月4日閲覧。
- ^ “クールビズ国連版 「クールUN」始まる”. MSN産経ニュース 2008年8月2日閲覧。[リンク切れ]
- 1 クール・ビズとは
- 2 クール・ビズの概要
- 3 効果の試算・推計
- 4 クールビズへの反応
- 5 脚注
固有名詞の分類
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