クモ膜下腔 クモ膜下腔の概要

クモ膜下腔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/04/08 09:04 UTC 版)

クモ膜下腔
ラテン語 spatium subarachnoideum
あるいは
cavum subarachnoideale
英語 Subarachnoid space

頭蓋内のクモ膜下腔

頭蓋内では、クモ膜はに密着せず、特に入り組んだ構造の周りでは少し離れた場所を大きく取り囲むような形になっている。一方軟膜は脳の実質に密着しているので、脳に大きい凹凸のある場所ではクモ膜下腔が広くなっている。この広がりを特にクモ膜下槽と呼ぶことがある。クモ膜下槽は、小脳延髄の隙間にある小脳延髄槽、小脳・中脳松果体などが向き合う場所にある迂回槽、視交叉の周りにある交叉槽、間脳と中脳の大脳脚に挟まれた脚間槽のほか、大小の脳溝にある。

脳脊髄液はクモ膜下腔だけでなく、脳室系にも入っている。クモ膜下腔と脳室系は脳の実質で隔てられているが、第四脳室に開いたルシュカ孔マジャンディ孔では互いに交通している。圧力の違いから、脳脊髄液は通常、第四脳室からクモ膜下腔へ流れ出す。クモ膜下腔の脳脊髄液は、クモ膜硬膜静脈洞に突出したクモ膜顆粒から静脈血に吸収されるとされる。詳しくは脳脊髄液#脳脊髄液の循環を参照されよ。

脊柱管のクモ膜下腔

脊柱管では、クモ膜下腔は一定の広がりをもったまま仙骨まで続いている。脊髄神経が出るところでは、髄膜もともに脊柱管から出るため、クモ膜下腔も末梢神経の周りへ続くことになる。ただし脊髄神経節よりも末梢では、クモ膜は神経周膜と名を変えて神経に密着しているため、クモ膜下腔はほとんど途切れている。

参考文献

Werner Kahle、長島聖司・岩堀修明訳『分冊 解剖学アトラスIII』第5版(文光堂、ISBN 4-8306-0026-8、日本語版2003年)






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