どろろ リメイク・続編作品の製作

どろろ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/10 00:25 UTC 版)

リメイク・続編作品の製作

原作は最後の魔物を倒すところまでいかない状態で終了しているが、このことが物語のその後や多数のリメイク制作を喚起する要因になっている。この欠損に対して、後述PlayStation 2版では百鬼丸が身体を全て取り戻すという補完が行われている。手塚作品の中でもリメイクが果敢に挑戦されている作品のうちの一つで、実写映画版は、どろろが大幅に原作と違う設定で描かれていたり、架空の異世界が舞台になったりしている。

2005年12月9日に秋田書店から発売された、様々な漫画家が『ブラック・ジャック』を描いたアンソロジー『ブラック・ジャックALIVE』2巻に収録されている永井豪の「嵐の夜に」では、武器をもっと強力なものにして欲しいと百鬼丸がブラック・ジャックに依頼、左脚に仕込まれた火炎放射器で万代を、右足に仕込まれたミサイルで九尾の狐を、右腕に仕込まれたガトリング砲でなぜか金小僧を倒し、どろろと共に立ち去る。

ヤングチャンピオン』では道家大輔による『どろろ梵』が連載され、『チャンピオンRED』では士貴智志による『どろろと百鬼丸伝』が2018年12月号から連載されており[注 4]、後者は単行本の第1巻が2019年4月19日に発売された[11]。また、『テヅコミ』で連載のカネコアツシの漫画『サーチアンドデストロイ』は『どろろ』を原作に描かれた近未来SFになっている[12]。『テヅコミ』ではフロランス・トルタの脚本、フィリップ・カルドナの作画による(翻訳は原正人)読み切り『血の味―妖刀誕生』も掲載された。この他、田畑由秋大熊ゆうごによる『ヤング ブラック・ジャック』で、『どろろ』をモチーフにした「無残帳編」が描かれている。

2022年12月より日本では『ピッコマ』で韓国では『kakaopage』でフルカラー縦スクロール漫画の『どろろ Re:Verse』の連載配信開始。韓国スタジオ・テラピン制作で、脚本・絵コンテはイ・ドギョン、絵はBeanが担当。現代を舞台としたリブート作品[13]

これらリメイク作品には前述の永井をはじめ、PlayStation 2版に沙村広明雨宮慶太なども関与しており、『どろろ』という作品に対する支持の大きさを物語っている。

なお、『手塚治虫トレジャーボックス』にも掲載されている『週刊少年サンデー』1968年2・3号の企画「紅白ものまねまんが合戦」では、4名の漫画家藤子不二雄つのだじろう板井れんたろう赤塚不二夫が描いた『どろろ』の漫画と、各作品への手塚のコメントが掲載された。


  1. ^ 本書発行当時は社内の出版部門を朝日新聞出版へ分社する前の状態。
  2. ^ 後にセガから発売されたPS2版『どろろ』の初回特典として、百鬼丸がどろろを殺せずに思い悩むシーンを抜粋した小冊子が付属した。
  3. ^ 手塚を始め、当時『週刊少年サンデー』に漫画を連載中の漫画家8名が「紅組」と「白組」に分かれ、紅組は『どろろ』、白組は『もーれつア太郎』の1頁分パロディを発表する企画。紅組は『ア太郎』の赤塚不二夫を始め、藤子不二雄(現:藤子・F・不二雄。当時『21エモン』を連載)、つのだじろう板井れんたろう(当時『おらぁグズラだど』を連載)、一方の白組は本作の手塚を始め、川崎のぼる(同『アニマル1』)、園田光慶(同『あかつき戦闘隊』)、九里一平(同『弾丸児』)で構成。
  4. ^ 2018年10月号にて連載開始の告知と15ページに及ぶ予告編が掲載された。
  5. ^ 原作では当初「しょうすい」という振り仮名。
  6. ^ 原作の単行本には、女の子であることを匂わせる場面がたびたびある。また、目に上まつげが描かれており女の子に見えるように描かれているコマもある。ただし1969年の小説版を執筆した辻真先は、連載中にそのような伏線はなかったはずであるとし、どろろが女の子であるという設定はおそらく手塚が終盤に思いついたもので、単行本化の際に辻褄を合わせたのであろうと主張している[15]
  7. ^ 正確には火が発する光。
  8. ^ アニメでは侍の大将。
  9. ^ 特に身体の一部を取り戻す様子もないままエピソードが終わってしまった。
  10. ^ サンデーコミックス版が掲載されている本や冒険王連載当時は三河島になっている。
  11. ^ a b c d e 冒険王に井上智が描いたカラー特集でも描かれている。
  12. ^ 手塚治虫文庫全集どろろ2巻の表紙などに使われている手塚治虫が描いたイラストでも百鬼丸の左上に描かれている。
  13. ^ 他との重複を除けば2体。
  14. ^ アニメに登場した妖怪や、手塚治虫が描いた未登場の妖怪との重複を除けば7体。
  15. ^ DVD-BOX封入解説書では「もし27話以降も放送が続いていたら。こんなユニークな化け物たちと戦う百鬼丸のもう一つの旅路を、私たちは目にすることができたかも知れない」と解説されている。
  16. ^ アニメの画像に文字を加えたフィルムコミック
  17. ^ 手塚治虫漫画全集のどろろを、全てのコマにデジタル技術で新たに着色したもの。
  18. ^ 原作・アニメにおけるお須志。
  1. ^ 「作品解説」『どろろDVD-BOX 封入解説書』コロムビアミュージックエンターテインメント、2002年1月21日、2頁。 
  2. ^ a b c 「対談 どろろはキャラクターが生きていた 鈴木良武・松島みのり」『手塚治虫アニメ選集1どろろ』少年画報社、1978年4月、75-79頁。 
  3. ^ 「解説 大沢在昌」『ブッダ』 2巻、潮出版社〈潮漫画文庫〉。 
  4. ^ 大塚英志「第2講 とりあえず「盗作」してみよう」『物語の体操 みるみる小説が書ける6つのレッスン』朝日新聞社〈朝日文庫〉、2003年4月、51-62頁。 
  5. ^ 大塚英志『キャラクター小説の作り方』角川書店〈角川文庫〉、2006年6月、42,320頁。 
  6. ^ 「カバー見返しコメント」『どろろ』 1巻、秋田書店〈サンデーコミックス〉、1974年。 
  7. ^ a b 「あとがき」『どろろ』 4巻、講談社〈手塚治虫漫画全集〉、1981年。 
  8. ^ 第19回:手塚流作品タイトルの付け方(後編)”. 手塚マンガあの日あの時. 虫ん坊 (2011年11月). 2019年3月21日閲覧。
  9. ^ 手塚眞『父・手塚治虫の素顔』新潮社〈新潮文庫〉、2012年、98頁。 
  10. ^ a b c 第27回:妖怪ブームの荒波に挑んだ『どろろ』の挑戦!!”. 手塚マンガあの日あの時. 虫ん坊 (2013年3月). 2019年3月21日閲覧。
  11. ^ “手塚治虫作品を士貴智志がリメイク「どろろと百鬼丸伝」1巻、グッズも発売”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年4月19日). https://natalie.mu/comic/news/328640 2019年5月3日閲覧。 
  12. ^ “捜し出し、破壊しろ!!カネコアツシ最新作、手塚治虫「どろろ」を題材に描くSF異形譚”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年4月5日). https://natalie.mu/comic/news/326789 2019年5月3日閲覧。 
  13. ^ 手塚治虫「どろろ」のリメイク版「どろろ Re:Verse」、ピッコマで配信開始コミックナタリー 2022年12月29日
  14. ^ “永井豪×手塚治虫「どろろとえん魔くん」ゴラクで連載化”. コミックナタリー (ナターシャ). (2013年2月8日). https://natalie.mu/comic/news/84541 2019年3月21日閲覧。 
  15. ^ a b c 辻真先(インタビュアー:アニメージュ編集部)「脚本家・辻真先の語る『どろろ』の思い出」『『アニメージュ』2019年7月号』、徳間書店、2019年6月25日https://animageplus.jp/articles/detail/270782019年6月27日閲覧 
  16. ^ キャラクター名鑑 どろろ”. TezukaOsamu.net. 2017年7月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月21日閲覧。
  17. ^ 手塚眞『父・手塚治虫の素顔』新潮社〈新潮文庫〉、2012年、97-99頁。 
  18. ^ a b c d e f g 冒険王のカラー特集に井上智が描いている。
  19. ^ 主幹、鳥海尽三の「小説 どろろ」三部作が学研M文庫から発売中”. 鳳工房. 2019年3月21日閲覧。
  20. ^ a b 『電撃PlayStation Vol.252』メディアワークス、2003年10月31日、212頁。 
  21. ^ “原作は手塚治虫「どろろ」、扉座が「新浄瑠璃 百鬼丸」を10年ぶりに上演”. ステージナタリー (ナターシャ). (2019年4月1日). https://natalie.mu/stage/news/326117 2019年4月2日閲覧。 
  22. ^ a b “アニメ「どろろ」百鬼丸役に鈴木拡樹、舞台版でも主演!キャラ原案は浅田弘幸”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年9月3日). https://natalie.mu/comic/news/298054 2018年9月3日閲覧。 
  23. ^ “鈴木拡樹主演「どろろ」に北原里英・有澤樟太郎、演出は西田大輔”. ステージナタリー (ナターシャ). (2018年11月20日). https://natalie.mu/stage/news/308685 2019年4月2日閲覧。 
  24. ^ a b c d e f g h i “舞台「どろろ」どろろ役は北原里英、多宝丸役に有澤樟太郎!ビジュアルも”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年11月20日). https://natalie.mu/comic/news/308689 2019年4月2日閲覧。 






固有名詞の分類

映画作品 漫画横丁 アトミックのおぼん スリますわヨの巻  毒蛇のお蘭  どろろ  月光仮面 幽霊党の逆襲  珍案特許美顔術
日本の漫画作品一覧 ホーリーランド  空とぶ王子様  どろろ  まんが極道  ロイアルミストブレード
プレイステーション2用ソフト 遙かなる時空の中で2  XIII  どろろ  KILLZONE  新宿の狼
漫画作品 と ドロヘドロ  同・級・生  どろろ  となグラ!  トニーたけざきのガンダム漫画
セガのゲームソフト セガアーカイブス フロム USA  アイラブミッキーマウス ふしぎのお城大冒険  どろろ  セガネットワーク対戦麻雀MJ4  アヴァロンの鍵
アニメ作品 と ドナルドの新兵さん  ドン・チャック物語  どろろ  となグラ!  となりのトトロ
フジテレビ系アニメ おじゃまんが山田くん  日生ファミリースペシャル  どろろ  きょうふのキョーちゃん  山ねずみロッキーチャック
手塚治虫の作品 ワンサくん  新宝島  どろろ  手塚治虫漫画全集  時計仕掛けのりんご
1969年のテレビアニメ ペネロッピー絶体絶命  ピンチとパンチ  もーれつア太郎  スカイキッドブラック魔王  どろろ

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「どろろ」の関連用語

どろろのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



どろろのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのどろろ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS