SRB-A改良型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 19:50 UTC 版)
H-IIAロケット6号機においてSRB-Aの分離に失敗し、事故調査結果によってノズルの信頼性向上が要求されたことから開発されたもので、基本設計はSRB-A2を踏襲している。H-IIAロケット7号機から13号機まで使用された。 モータは、平均燃焼圧をSRB-Aの8割まで下げ燃焼時間をSRB-Aの1.2倍(約120秒)に延長する推力パターンを持つ、安全性に余裕を持たせた長秒時型モータに変更された。ノズル形状については、熱負荷が高く局所エロージョンを増大させてしまう欠点を持つコニカル型ノズルから、熱負荷の小さいベル型ノズルへと変更された。また、外側の金属ホルダーを鉄製ホルダにし、スロートインサートの範囲を後方へ拡大することで継目の熱負荷を低減させ、CFRP製ライナアフトを2重にし板厚を増すことで安全性に余裕を持たせている。 6号機の分離失敗の直接的原因として、漏洩した燃焼ガスが前部ヨーブレス分離機構作動用の導爆線を焼き切ってしまったことが挙げられており、これに対応して搭載機器の再配置も行われた。後部アダプタに搭載されていた電力系機器や指令破壊系機器は前部アダプタへと移動され、2系統ある分離機構の内1系統は新しく設けられたサブトンネルを通して配線されている。 なお、H-IIAロケット7号機では、通常のSRB-A改良型より燃焼時間を長くとることで安全性に余裕を持たせたモーターが用いられた。
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