武豊線とは? わかりやすく解説

武豊線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 17:46 UTC 版)

武豊線(たけとよせん)は、愛知県大府市大府駅から同県知多郡武豊町武豊駅に至る、東海旅客鉄道(JR東海)の鉄道路線地方交通線)である[1][2]


注釈

  1. ^ 1300番台が2両編成を8編成で計16両、1100番台が4両編成を3編成で計12両。
  2. ^ 常滑線ルートの場合、新名古屋駅(現:名鉄名古屋駅) - 空港島間のルート延長距離は約36 km(海上部を除く)で、こちらのルートの場合は既設線の線形改良・軌道強化などによる高速化を行うことにより、新名古屋 - 空港島間の所要時間は25 - 30分程度(武豊線ルートとほぼ同等)になると試算されていた[24]。史実の2024年時点では名鉄空港線利用ルートの場合、名鉄名古屋駅から中部国際空港駅までの所要時間は最速達種別「ミュースカイ」で28分、特急で35分となっている[25]
  3. ^ 中経連は「名古屋と新空港間の輸送手段は高速、定時性、大量輸送力が重要であり、海外の主要空港と比較して引けを取らないような高速鉄道を少なくとも2ルート整備することが望まれる」と指摘した上で[20]、「武豊線と名鉄常滑線をそれぞれ延伸して空港に乗り入れることが望ましい」と提言した[26]
  4. ^ 名鉄の新名古屋駅(現:名鉄名古屋駅)はJR名古屋駅と離れているため、新幹線を始めとするJR線などとの接続改善の必要性が課題点として挙げられていた[24]
  5. ^ ひだ」「しなの」「しらさぎ」「南紀」。
  6. ^ 名鉄名古屋本線の知立東岡崎・豊橋方面から常滑線に乗り換える場合、神宮前駅(名古屋市熱田区)まで迂回する必要がある。
  7. ^ 空港島から東京方面へミニ新幹線を直通運転した場合、東京駅まで約1時間45分 - 2時間、新大阪駅まで約1時間15分で結べると試算された[20]。また、これらのミニ新幹線を利用して新空港にアクセスした場合、京都駅静岡駅からの乗客は、それぞれ関西国際空港(翌1994年開港)や成田国際空港(当時・新東京国際空港)に行くより速く、ともに約1時間(京都から関空までより約25分、静岡から成田より約55分短い)で新空港にアクセスできると試算された[26][21]
  8. ^ 常滑線ルートの概算建設費(海上部の建設および、名鉄が整備を進めていた曲線改良などの費用を除く)は約200億円[24]
  9. ^ 西名古屋港線ルートは常滑線・武豊線ルートに次ぐ有力な3案の一つとされた[26]。当時、西名古屋港線は約900億円の投資による金城ふ頭駅までの延伸・旅客化が決まっていた[26]が、金城ふ頭から空港まで延伸する場合、新設部分はすべて地下化することとなり、海底トンネルによって空港島まで直接乗り入れるか、途中で常滑線に合流するルートの2パターンが検討されていた[32]。この場合、名古屋駅 - 空港島間(海上部を含む)のルート延長距離は約38 kmとされ、うち金城ふ頭 - 空港島間の新線部分(約22 km)の建設費として2,100 - 2,700億円が必要とされた[33]。中経連は1993年の提言で、西名古屋港線利用ルートについては「名古屋から新空港へは最短距離だが、トンネルなどの建設が課題」と消極的な姿勢を示しており[26]、1996年時点では空港乗り入れは白紙となっていた[27]
  10. ^ 当時、JR東海社長の葛西敬之は空港アクセスについて「協力する用意はあるが、採算を度外視したレベルにまで踏み込むことはできない」とコメントしていた[27]。また、開港時点での乗り入れが確実視され、既に「新名古屋駅(現:名鉄名古屋駅)から30分以内で空港へ」を目標に、自前で常滑線の曲線改良工事などに着手していた名鉄は、JR東海の「地元自治体が線路を建設してくれるなら運営する」という姿勢に対し、「うちは自前で線路を引いたのに、(JR東海が)他人に任せて利益だけ上げるのは筋が通らない」と反発していた[27]
  11. ^ 2001年10月1日改正まで、平日1本は武豊線内のみ運転の大府駅行であった。 - 『JR時刻表』弘済出版社、2001年3月号及び2001年12月号
  12. ^ 大府駅まで8両編成で運行され、大府駅で浜松行き(前4両)と武豊行き(後ろ4両)に分割される。
  13. ^ 深夜は岐阜駅まで、その他の時間帯は名古屋駅まで直通あり。

出典

  1. ^ a b c 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』平成18年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会、p.37
  2. ^ a b c d e 黒尾透 (2015年3月2日). “JR武豊線:開業129年、電化 大府駅で出発式”. 毎日新聞 (毎日新聞社). http://mainichi.jp/articles/20150302/ddl/k23/020/045000c 2016年2月1日閲覧。 [リンク切れ]
  3. ^ a b 『日本鉄道史. 上篇』、鉄道省、1921年、p.481
  4. ^ a b c “大府駅で出発式、最初の電車見送る JR武豊線電化”. 中日新聞 (中日新聞社). (2015年3月2日). オリジナルの2015年3月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150326105957/http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015030190214415.html 2016年2月1日閲覧。 
  5. ^ a b c d e f g h i j k l 徳田 2008, pp. 42–43.
  6. ^ 沿線人口が鉄道の輸送量に及ぼす影響と各路線の集客能力の指標 (PDF) p.4 - 高知工科大学工学部社会システム工学科 三好佑治
  7. ^ 祖田圭介「国鉄 - JR東海 名古屋圏の線路配線の興味」『鉄道ピクトリアル』第689号、電気車研究会、2000年8月、45頁。 
  8. ^ 武豊線(大府~武豊)運行情報【JR東海公式】 [@JRC_Taketoyo] (2019年12月12日). "お知らせ". X(旧Twitter)より2020年1月23日閲覧
  9. ^ 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』平成18年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会、p.61
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳』7号 東海、新潮社、2008年、p.39
  11. ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
  12. ^ a b 「鉄道院告示第54号」『官報』1909年10月12日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  13. ^ 武豊線の近代化促進に関する要望 - 2004年(平成16年)11月26日 武豊線近代化促進期成同盟会会長 半田市長 榊原伊三
  14. ^ a b c 武豊線の電化について - 東海旅客鉄道ニュースリリース 2010年3月18日
  15. ^ 平成27年3月ダイヤ改正について (PDF) - 東海旅客鉄道ニュースリリース 2014年12月19日
  16. ^ 『鉄道ファン』通巻599号(2011年3月号)、pp.54-56
  17. ^ a b 武豊線への集中旅客サービスシステムの導入について - 東海旅客鉄道ニュースリリース 2012年11月15日
  18. ^ 2012年11月16日の中日新聞社会面
  19. ^ a b JR武豊線の集中旅客サービスシステムの使用開始(平成25年10月1日から)について - ウェイバックマシン(2015年4月2日アーカイブ分) - 愛知県東浦町防災交通課
  20. ^ a b c d e f g 中日新聞』1993年3月27日朝刊三面3頁「中部新空港 鉄道アクセスで4案 中経連委整備構想 道路網も広域化図る」(中日新聞社
  21. ^ a b c d e f g 読売新聞』1993年3月27日中部朝刊一面1頁「中部新空港アクセス 13キロ延長、名古屋駅と結ぶ JR武豊線ルート構想」(読売新聞中部本社
  22. ^ a b c 朝日新聞』1997年4月18日名古屋朝刊第三社会面29頁「乙川駅から西へ 新空港鉄道で半田市が周辺整備計画【名古屋】」(朝日新聞名古屋本社
  23. ^ a b c d e f g 愛知県企画部 1995, p. 74.
  24. ^ a b c d 愛知県企画部 1995, p. 73.
  25. ^ 空港アクセスのご案内|中部国際空港アクセス|電車のご利用案内名古屋鉄道、2024年2月14日閲覧。
  26. ^ a b c d e f g 『朝日新聞』1993年3月27日名古屋朝刊第二経済面11頁「JR武豊線延長など提言 中部新空港への鉄道網 中経連【名古屋】」(朝日新聞名古屋本社)
  27. ^ a b c d e 『朝日新聞』1996年9月12日名古屋朝刊第三社会面25頁「中部新空港への鉄道延長、投資が重荷 JR慎重運転【名古屋】」(朝日新聞名古屋本社)
  28. ^ 愛知県企画部 1995, pp. 74–75.
  29. ^ 『毎日新聞』1995年6月21日中部夕刊社会面6頁「中部新国際空港への鉄道アクセス、JR線活用も推進――鈴木礼治・愛知県知事」(毎日新聞中部本社)
  30. ^ 『毎日新聞』1996年8月10日中部朝刊愛知地方版「知多半島での住民向け説明会が終了――中部新国際空港 /愛知」(毎日新聞中部本社)
  31. ^ a b c d e f g h i j k 『中日新聞』1995年2月16日朝刊1面1頁「中部新空港の鉄道アクセス 開港時は名鉄常滑線活用 愛知県が8路線調査 段階整備の方針」(中日新聞社)
  32. ^ 土木学会 2002, p. 237.
  33. ^ 愛知県企画部 1995, p. 75.
  34. ^ 『毎日新聞』1996年8月29日中部朝刊愛知地方版「愛環鉄道の分岐・延伸、「三河上郷―空港島」36キロを想定――交通審議会 /愛知」(毎日新聞中部本社)
  35. ^ a b 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』平成18年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会、pp.36-37
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  39. ^ 日本国有鉄道百年史』第3巻、408頁
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