G剤とは? わかりやすく解説

G剤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/06 20:26 UTC 版)

G剤(ジーざい、G-series)は、第二次世界大戦前後にドイツで開発された神経ガス化学兵器)の総称。German gas が語源といわれる。戦後にポーランドチェコスロバキアなどで開発された毒ガスもドイツ系の技術体系に含めると言う意味でG剤と呼ぶこともある。

G剤には、タブンサリンソマンエチルサリンシクロサリンが分類される[1]。サリンの場合はイソプロピルアルコールメチルホスホン酸ジフルオリドを分けて充填したものを発射し発射時の衝撃で仕切りを破壊して飛翔しながら砲弾の回転力で混合させ、着弾時の衝撃で散布させる方式が用いられている(バイナリー兵器、binary chemical weapon)。毒性の高い状態で保存しておくのが危険であるため、このような分離方式が行われている。

また、1936年にタブン、1938年にサリン、1944年にソマン、○○年にエチルサリン、1949年にシクロサリンが発明され、その順に米軍によりGA・GB・GD・GE・GFのコード名が付けられた。GCはすでに医薬品の略号として用いられていたため使われることはなかった。後年に開発されたものほど、毒性が強い。また、GP(GV)と呼ばれるチェコスロバキアの神経ガスも存在する。

全て神経に作用する毒で、アセチルコリンエステラーゼの働きを阻害し、アセチルコリンの異常分泌を狙ったものである。常温では液体だが、兵器としては揮発により、ガスとして利用する。

同じころにV剤の代表格となる、VXガスも発明されている。

脚注


G剤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 10:20 UTC 版)

神経ガス」の記事における「G剤」の解説

ドイツ科学者によって発見されたところからGermany頭文字取って「G剤」と命名された。G剤に分類される化合物全て第二次世界大戦もしくはその直後ゲルハルト・シュラーダーによって初め合成されたものである神経ガスの中では最も古い部類に入る。最初に合成されたのはタブン1936年)であり、次いでサリン1938年)、ソマン1944年)、シクロサリン1949年)が合成された。

※この「G剤」の解説は、「神経ガス」の解説の一部です。
「G剤」を含む「神経ガス」の記事については、「神経ガス」の概要を参照ください。

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