A330-200の開発
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「エアバスA330」の記事における「A330-200の開発」の解説
A330の販売は、1980年代後半にまとまった受注を集めた後は、下火になっていた。航空会社は長大な航続距離性能を持つ双発機を求めるようになっていた。また、姉妹機となるA340は1993年3月に路線就航を開始していたが、その後、段階的に最大離陸重量が引き上げられて航続距離性能が強化されていた。エアバスではA330とA340との中間の航続力を持つ機種として、A330の胴体を短縮して収容力を減らす代わりに燃料搭載量を増やすことで航続力を増強した派生型の検討を始めた。この機体案はA330-200と名付けられ、1995年11月24日に正式開発が決定された。A330-200の開発に伴い、それまでのA330はA330-300と呼ばれることとなった。A330-200が最初の発注を得たのは1996年前半で、リース会社のインターナショナル・リース・ファイナンス社(以下、ILFC)からであった。 A330-200の胴体は、A330-300のものから主翼の前後で合わせて10フレーム短縮された。胴体の短縮により機体の重心位置から垂直尾翼までの距離が短くなることから、これを補うため、A330-200では垂直尾翼の高さ方向が拡大された。A330-200では、A340-300の重量増加型と同様に主翼が強化されて最大離陸重量が引き上げられ、胴体中央への燃料タンクが追加されたほか、エンジンが推力増加型に変更された。これらの変更により、航続距離は11,853から12,223キロメートル(6,400から6,600海里)となった。A330-200でもGE、R-R、P&Wの3社のエンジンが選択可能とされた。 A330-200の初号機はGE社のCF6エンジンを装備した機体で、1997年8月13日に初飛行した。また、同年12月4日にはP&W社のPW4000エンジンを装備した最初の機体が初飛行した。1998年3月31日、CF6エンジン装備型に対してA330-200で最初となる型式証明がJAA、FAA、そしてカナダの航空当局から同時に交付された。その後、330-200の初号機はエンジンをCF6からR-R社のトレント700に換装してトレント700装備型の型式証明取得のために試験飛行を行った。 330-200の最初の引き渡しは1997年4月で、カナダのチャーター便専門会社であるカナダ3000(英語版)に対して行われた(機体の保有はILFC)。この時の機体はGE製エンジン装備機であった。翌1998年にはP&W製エンジン仕様がオーストリア航空へ、1999年2月にはR-R製エンジン仕様がILFCからのリース機としてカナダのエア・トランザットに初納入された。
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