4ストローク用オイルとの違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/30 21:20 UTC 版)
「2ストロークオイル」の記事における「4ストローク用オイルとの違い」の解説
4ストロークエンジン用のオイルとの違いは、4ストロークではドライサンプやウエットサンプなどの方式で、高温になるエンジン内で長期間にわたって繰り返し使用されるため、高温環境下での抗酸化特性(酸中和性、酸化安定性)が良く変質しにくいことや、スラッジ分散性なども重要な性能となるが、2ストロークエンジン用オイルは一回しか使われないため、これらの特性はほとんど考慮されない。また、2ストロークには高い耐摩耗性が必要となる動弁機構が無いため動弁系の摩耗防止性は求められない。2ストロークオイルはエンジン内で燃焼して排出されるため、燃焼室や点火プラグの汚損を防ぐ性能が特に重視される。2ストロークエンジンはシリンダー側面にポートがあるため4ストロークエンジンとは異なり、ピストンリングがシリンダー内で回転する構造になっておらず、ピストンリングの溝にスラッジが堆積してピストンリングが膠着しやすい。そのため燃焼室でのスラッジの元となる灰分を含む添加剤は少なく抑えられている。酸化や動弁系の摩耗を考慮せずに済むこととスラッジの要因となることからほとんどの4ストロークエンジンのオイルに添加されているZnDTP(酸化防止・磨耗防止などの機能を持つ多機能添加剤)は基本的に添加されていない。
※この「4ストローク用オイルとの違い」の解説は、「2ストロークオイル」の解説の一部です。
「4ストローク用オイルとの違い」を含む「2ストロークオイル」の記事については、「2ストロークオイル」の概要を参照ください。
- 4ストローク用オイルとの違いのページへのリンク