312B3-74
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 02:06 UTC 版)
「フェラーリ・312B」の記事における「312B3-74」の解説
1974年の最終型312B3は、前年の後期型をベースに設計された。シャシーはフルモノコックからセミモノコックに戻され、重量配分を見直した結果、以前よりもコクピット位置が前進した。低くフラットなシャシーに、グラマラスなアッパーカウルという構成は、後継の312Tにも受け継がれた。インダクションポッドは横幅の広い旧型から縦に細長いタイプに変更され、上下に分割された経路を通じて、ラムエアーをエンジン左右のインテークマニホールドに供給した。 この年は体制面で大きな変更があった。スポーツカーレースから撤退してF1活動のみに絞り、ルカ・ディ・モンテゼーモロがチームマネージャーに就任した。ドライバーは出戻りのクレイ・レガツォーニと若手ニキ・ラウダという新コンビ。 第4戦スペイングランプリではラウダが初優勝し、チームに2年ぶりの勝利をもたらした。ラウダは6戦連続を含めシーズン個人最多の9ポールポジションを獲得し、開発面でも非凡な能力を見せた。レガツォーニはマクラーレンのエマーソン・フィッティパルディ、ティレルのジョディー・シェクターとタイトルを争い、フィッティパルディと同ポイント(52点)で最終戦に臨んだが、惜しくもチャンピオンを逃した。コンストラクターズではマクラーレンに次ぐ2位に浮上した。 312B3は翌1975年の第2戦まで使用され、312Tにバトンタッチした。ラウダは「312B3は常にアンダーステア傾向を抱えていて、思い通りにコーナリングするのに一苦労していた」と語っている。312Tでは対策として、ホイールベース内に横置きギアボックスを配置することになる。
※この「312B3-74」の解説は、「フェラーリ・312B」の解説の一部です。
「312B3-74」を含む「フェラーリ・312B」の記事については、「フェラーリ・312B」の概要を参照ください。
- 312B3-74のページへのリンク