2006年の住民投票
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 23:10 UTC 版)
「沿ドニエストル共和国」の記事における「2006年の住民投票」の解説
2006年7月12日、旧ユーゴスラビアでのモンテネグロ独立に影響を受けた沿ドニエストル共和国議会は、独立を放棄しモルドバへの編入を希望するか、独立を維持し将来的にロシアに編入するかを問う住民投票を行うことを決めた。投票は同年9月17日に実施され、前者案件は圧倒的多数で反対、後者案件は圧倒的多数で賛成の結果となった。一方、モルドバのヘルシンキ人権委員会は当日現地に出向き出口調査等独自で監視を行っており、当局によって発表された70%を超えるという投票率に対し実際には10%から30%程度しか確認できなかったこと、結果に関しても少なくとも2-3倍に水増しされたか全く捏造された不公正な投票である可能性が高いと発表した。また、選挙当日には投票に行かない者を選挙後にルーマニアに強制的に移住させるという脅し文句で投票を強制させていたこと、過去にボイコットを行った反体制的国民は有権者のリストから除外されていること、公安や軍人がガードをしており投票所の近くに監視員が近づけないようにしていた投票場があったこと、また彼らが投票結果を改竄していたことなどを報告した。 欧州安全保障協力機構、欧州連合、GUAMなどの国際機関やいくつかの国家(ウクライナ、ルーマニア、ブルガリア、トルコ、セルビア、マケドニア、クロアチア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、アルバニア、ノルウェー、アイスランド)はこの住民投票を認めない立場をとった。欧州評議会においてはロシアのみがこれを認める立場をとった。同様の住民投票は数回にわたって行われているが、実際の影響力、ましてや拘束力は乏しいものといえる。 2014年のクリミア危機によって成立したクリミア共和国が、ロシアへの編入を求め、承認されたことを受けて、沿ドニエストル共和国政府は再びロシア下院に対してロシア連邦への編入を求めた(「ロシアによるクリミアの併合」参照)。
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