電子求引性基と電子供与性基とは? わかりやすく解説

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電子求引性基と電子供与性基

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/11 07:32 UTC 版)

有機電子論」の記事における「電子求引性基と電子供与性基」の解説

分子特定の位置について電子密度減弱させる効果を持つ置換基性質電子求引性呼び逆に増加させる効果を持つ場合性質電子供与性と呼ぶ。このような効果を持つ置換基電子求引性基あるいは電子供与性基呼び表す。電子求引性あるいは電子供与性は単に電気陰性度の差だけでは説明できない。すなわち前述誘起効果メソメリー効果等が複合的に作用するので、芳香族性共役系存在トポロジー的な位置関係によって現れ方変わってくる。 誘起効果場合電子求引性のものを−I効果電子供与性の場合を+I効果と表すが、炭素よりも電気陰性度の高い原子は−I効果を示す。またアニオンは+I効果を、カチオンは−I効果を示す。 メソメリー効果場合電子求引性のものを−M効果電子供与性の場合+M効果と表す。 電子供与電子求引性誘起効果+I効果 -N−R > -O− -O− > -S− (CH3)3C- > (CH3)2CH- > CH3CH2- > CH3- −I効果 -O+R2 > -N+R3 -N+R3 > -P+R3 > … -O+R2 > -S+R2 > … -N+R3 > -NO2 > -SO2R > -SOR -SO2R > -SO3R -N+R3 > -NR2 -O+R2 > -OR -S+R2 > -SR -F > -Cl > -Br > -I =O > =NR > =CR2 =O > -OR ≡N > ≡CR =O > -OR ≡N > =NR > -NR2 -C≡CR > -CR=CR2 > -CR2CR3 メソメリー効果+M効果 -C−R2 > -N−R > -O− -NR− > -NR2 -O− > -OR > -O+R2 -S− > -SR > -S+R2 -I > -I+R -NR2 > -OR > -F -SR > -OR -I > -Br > -Cl > -F −M効果 =N+R3 > =NR =O > =NR > =CR2 =S > =O > ≡N 表のこれらの強度傾向あるいは相対強度示している。相反する効果相乗した場合などでは量子化学的計算などで絶対値推定する必要がある例えば、メトキシ基(-OCH3)が置換したベンゼン場合隣接するオルト炭素に対して酸素電気陰性度によるI効果僅かに電子密度減弱させ、メタ位、パラ位にはさほど影響与えないそれよりも酸素非共有電子対押し込みによるM効果オルト-パラ炭素への電子密度増大させる効果の方が支配的である為、メトキシ基芳香環上の求電子置換反応では電子供与性基として作用する。 これらの効果を、パラおよびメタ置換安息香酸酸解離定数をもとに、定量的評価予測する経験則として、ハメット則知られる

※この「電子求引性基と電子供与性基」の解説は、「有機電子論」の解説の一部です。
「電子求引性基と電子供与性基」を含む「有機電子論」の記事については、「有機電子論」の概要を参照ください。

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