電子の波長とは? わかりやすく解説

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電子の波長

【英】:wavelength of electron

ド・ブロイ与えた運動量波長の関係を用いて計算される電子顕微鏡使われている加速電圧対するは次のとおりである。100kV で 0.0037nm、200kV で0.00251nm、300kV で0.00197nm、400kV で0.00164nm、1000kVで0.00087nm。

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電子の波長

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 06:56 UTC 版)

電子回折」の記事における「電子の波長」の解説

電子の波長は、ド・ブロイ方程式与えられる。 λ = h p {\displaystyle \lambda ={\frac {h}{p}}} ここで h {\displaystyle h} はプランク定数、 p {\displaystyle p} は電子運動量である。電子電位 U {\displaystyle U} において次のような速度まで加速されている。 v = 2 e U m 0 {\displaystyle v={\sqrt {\frac {2eU}{m_{0}}}}} m 0 {\displaystyle m_{0}} は電子質量、 e {\displaystyle e} は電気素量である。電子の波長はしたがって次の式で表される。 λ = h p = h m 0 v = h 2 m 0 e U {\displaystyle \lambda ={\frac {h}{p}}={\frac {h}{m_{0}v}}={\frac {h}{\sqrt {2m_{0}eU}}}} しかし電子顕微鏡では、加速ポテンシャル一般に数千ボルトにもなり、電子光速何分の一という速度飛び出すSEMでは加速ポテンシャル10,000ボルト (10kV) 程度運用し電子速度光速の約20%となるが、TEMでは200kVで運用し電子速度光速70%にもなる。そのため、相対論的効果考慮する必要がある。すると、電子の波長は次のように修正される。 λ = h 2 m 0 e U 1 1 + e U 2 m 0 c 2 {\displaystyle \lambda ={\frac {h}{\sqrt {2m_{0}eU}}}{\frac {1}{\sqrt {1+{\frac {eU}{2m_{0}c^{2}}}}}}} c {\displaystyle c} は光速である。この式の1つ目の項は上で求めた相対論的波長であり、次の項が相対論的補正因子である。すると、10kVのSEMにおける波長は 12.3 x 10-12 m (12.3 pm) となり、200kVのTEMでの波長2.5 pm となる。ちなみにX線回折使われるX線波長は、100 pm 台である(Cu kα: λ=154 pm)。

※この「電子の波長」の解説は、「電子回折」の解説の一部です。
「電子の波長」を含む「電子回折」の記事については、「電子回折」の概要を参照ください。

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