電子の半径
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 05:34 UTC 版)
ローレンツの電子論では、物質を電子と正の荷電粒子(陽子に相当する)とからなる集合体と見なし、物質の熱的・光学的・電磁気的その他の諸性質を古典力学と古典電磁気学とを適用して論じていた。この理論の中で、電子は表面上に一様に荷電分布した帯電球と見なされ、その静止エネルギーと静電エネルギーとが等しいとして考察した際に、数式の中に出て来る球の半径が電子の半径として捉えられた。 電荷 q で半径 r の荷電粒子の静電エネルギーはクーロン定数を用いて E = 1 4 π ε 0 q 2 r {\displaystyle E={\frac {1}{4\pi \varepsilon _{0}}}{\frac {q^{2}}{r}}} で与えられるので、電子の電荷を e、半径を re とおくと、電子の静電エネルギーは E = 1 4 π ε 0 e 2 r e {\displaystyle E={\frac {1}{4\pi \varepsilon _{0}}}{\frac {e^{2}}{r_{\text{e}}}}} となる。この静電エネルギーが静止エネルギー E 0 = m e c 2 {\displaystyle E_{0}=m_{\text{e}}c^{2}} と等しくなるので、電子の半径 re は m e c 2 = 1 4 π ε 0 e 2 r e {\displaystyle m_{\text{e}}c^{2}={\frac {1}{4\pi \varepsilon _{0}}}{\frac {e^{2}}{r_{\text{e}}}}} ∴ r e = 1 4 π ε 0 e 2 m e c 2 {\displaystyle \therefore r_{\text{e}}={\frac {1}{4\pi \varepsilon _{0}}}{\frac {e^{2}}{m_{\text{e}}c^{2}}}} となる。 また、真空の誘電率 ε0 の代わりに真空の透磁率 μ0 を用いると、古典電子半径 re は r e = μ 0 e 2 4 π m e {\displaystyle r_{\text{e}}={\frac {\mu _{0}e^{2}}{4\pi m_{\text{e}}}}} と表す事も出来る。
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