配給の神様とは? わかりやすく解説

配給の神様

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/24 04:17 UTC 版)

佐生正三郎」の記事における「配給の神様」の解説

1898年明治31年4月9日千葉県生まれる。父は元治郎。 早稲田大学理工学部現在の早稲田大学理工学術院)を卒業し東洋汽船入社文書課長を務める。1920年大正9年前後同社は、子会社東洋フィルム商会が『成金』を製作したり、大正活映設立して映画製作・配給したり、と映画事業関係していた。やがて佐生は、1916年大正4年10月創立ユニヴァーサル映画東京支社ユニヴァーサル播磨商会)に転職する。同支社は、同社極東支配人のトーマス・コクレン(英語: Tom D. Cochrane, 1869年 - 1937年)が播磨勝太郎提携して始めた会社であったが、やがて、1922年大正11年)には、コクレンユニヴァーサル映画退社して渡米パラマウント映画移籍同社極東支配人になり、同年7月には日本戻り同年8月1日付で日本支社開設しており、佐生もこれに移籍支配人就任する1926年大正15年)にニューヨーク市発行されFilm Daily Year Book 1926 には、東京市京橋区西紺屋町27番地現在の東京都中央区銀座4丁目2番12号)の秀英ビル現在の大日本印刷跡地銀座クリスタルビルにあった東京事務所支配人に佐生の名がすでに記されている。 佐生は、コクレンからアメリカ的計数主義仕込まれ合理的な営業手法を身に着けた。1931年昭和6年5月29日松竹大谷竹次郎社長城戸四郎専務蒲生右衛門浅草松竹座支配人パラマウント側からコクレン、佐生、パラマウント旗艦劇場であった邦楽座(現在の丸の内ピカデリー)の小笠原取締役出席してチェーン合併および松竹パ社興行社(S-PX)の設立合意成立させた。この時代パラマウントは、東京市内外邦楽座(観客定員数1,300名)のほか、浅草六区東京館(のちの東京クラブ観客定員数579名)、麻布新堀町芝園館(観客定員575名)、神田・神保町南明座、渋谷百軒店渋谷キネマ(のちのテアトル渋谷観客定員数1,300名)の5館の直営館を抱えていた。 年間60作ものパラマウント映画作品日本市場配給してきたが、1936年昭和11年9月長らく在任し「配給の神様」の名を不動のものとしたパラマウント映画支配人辞任同年6月設立され東宝映画配給入社取締役就任する。この移籍電撃的であり、同年10月発行キネマ週報』第279号にも「話題の人」として取り上げられている。翌1937年昭和12年9月10日同社写真化学研究所ピー・シー・エル映画製作所ゼーオー・スタヂオ合併され東宝映画設立されると、この新会社取締役就任する。佐生がパラマウント去って1年後同年11月9日出張先のニューヨークでコクレン亡くなっている。 森岩雄による映画製作金指英一による経理、佐生による配給営業の手腕が、同社数年のうちにメジャー企業育て上げたとされる。佐生が提唱したフリーブッキング制は、映画賃貸料目分量決められていたが、「その土地人口映画館数、入場料金等を勘案し、つぎに配給映画一本対する製作費、間接費本社経費株主配当含めたコストに、興行価値加えた総収単価算出し、これを個々映画館立地条件適合させて、適正妥当な貸付料金を算定する」という「クォータ・システム」の一種であり、この合理的な映画賃貸料によって、作品ごとにブッキングする方式である。同制度は、この新し映画会社である東宝映画当初発揮された。 第二次世界大戦開始されユニヴァーサル映画パラマウント映画といったハリウッド映画日本支社1941年昭和16年12月解散している。戦時統制のため、1942年昭和17年2月6日すべての映画一本化し配給する社団法人映画配給社設立され、それにあたって日本映画社日映)の古野伊之助松竹阿部辰五郎大映河合龍斎とともに理事就任する

※この「配給の神様」の解説は、「佐生正三郎」の解説の一部です。
「配給の神様」を含む「佐生正三郎」の記事については、「佐生正三郎」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「配給の神様」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「配給の神様」の関連用語

配給の神様のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



配給の神様のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの佐生正三郎 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS