選挙干渉
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選挙干渉(せんきょかんしょう)とは、政治体制の支配勢力(たとえば明治憲法下の天皇制の軍・官僚勢力)や政権をもっている勢力が、選挙に際して自己のためになる候補者の当選、あるいは対立候補者の落選を図って、本来、公正に運用しなければならない警察・検察の取締り規定や行政上の権限を政略的に、党派的に行使することをいう[1]。
- ^ a b 杣正夫「選挙干渉」『国史大辞典』第8巻、吉川弘文館、1987年、395頁。
- ^ 自民が選挙報道の公平求める文書、テレビ各局に渡す:2014/11/27/21:00【共同通信】
- ^ a b 衆院選:自民、テレビ局の選挙報道で細かく公平性要請。毎日新聞2014年11月27日、20時25分(最終更新、11月27日、21時41分)当該記事のウェブ魚拓
- ^ 選挙報道「公正に」自民、テレビ各社に要望文書:朝日新聞2014年11月28日05時31分当該記事のウェブ魚拓
- ^ 民放へ選挙報道の中立公正求める文書…与野党 読売新聞 2014年11月27日
- ^ 委員長談話:政権政党による報道介入に強く抗議する(2014年11月28日)
- ^ “選挙報道:民放労連が抗議声明 自民党の公平中立要請に”. 毎日新聞. (2014年11月29日) 2014年12月5日閲覧。
- 1 選挙干渉とは
- 2 選挙干渉の概要
- 3 戦前日本の選挙干渉
- 4 脚注
選挙干渉
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明治23年(1890年)7月、第1回衆議院議員総選挙が行われ、政府側は敗北した。日清戦争に向けての軍備拡大を進める政府の予算案は、第一回の議会では土佐派の切り崩しで辛うじて通過したが、翌年の議会では否決される形勢となった。そこで首相・松方正義は衆議院を解散するとともに、次の選挙での民党の締め付けを行った。これが明治25年(1892年)の選挙干渉であり、民党支持者に対して買収や脅迫が公然と繰り広げられ、時には警官までもが動員された。玄洋社も選挙干渉への協力を求められ、その実行者となった。 大規模な選挙干渉にもかかわらず、第2回衆議院議員総選挙も政府側の敗北に終わった。その後、玄洋社は結社としての活動を縮小し、頭山は自由民権運動の志士から脱却し、「国士」としてアジア主義への道を歩み始める。
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選挙干渉
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「第2回衆議院議員総選挙」の記事における「選挙干渉」の解説
この選挙では内務省(品川弥二郎内相・白根専一次官)による選挙干渉によって死者まで出したことで知られているが、実際には複雑な経過を辿っている。 明治天皇は解散前から難航する議会運営に懸念を強めていた。12月26日に、徳大寺実則侍従長は伊藤博文に天皇が「同一の議員を再選致候而は幾度も解散不祥の結果を生すへくやと深御憂慮被遊」と、来る選挙で同じ議員が再選されると解散の連続になることを憂慮していると伝えた。さらに28日、松方正義首相から品川弥二郎内相に宛てた手紙によると、天皇に改選の手続きを奏上した際に、天皇から「精々今般之選挙尽力相成、良結果に至り候様再三御沙汰拝承仕候」と、この選挙一回で尽力して良い結果を出すように言われたことを伝えた。良い結果とは「同一の議員」ではない新たな勢力が多数派となること、つまり自由党・改進党以外の議員が多数派となることであった。そして、選挙の見込みを品川から報告すると奏上したので、「近日中御参朝之上細事御奏上」することを指示した。それを受けた品川は、それまで2回3回の解散は望まないが覚悟していたが、態度を変え度々天皇に報告に行っている。天皇は品川からの報告だけでなく、知事から侍従を通じて詳細な状況報告を上げさせた。そして、松方首相自身も「大奮発」し、仮面を脱して「政府党」を活動させる意向をしめし、極秘に側近の九鬼隆一帝室博物館館長を各地に派遣して独自の選挙工作を行わせ、また、吏党候補の擁立と支援を行った。 天皇の意向が示された後、松方正義首相と品川内相は相次いで府県知事に内諭を出して、中正の人物を当選させることを指示した。直後に松方・品川・白根に加えて平山成信書記官長・小松原英太郎警保局長・大浦兼武警保局主事らによる選対本部が極秘に組織されて、政府系候補への選挙支援策が協議された。また、首相に対して金子堅太郎と佐藤暢から選挙対策案が献言され、内容として藩閥全体で対応すべきという金子案と内務省主導で行う佐藤案という特徴がある。これまで、実力行使を含めた選挙干渉を指示した命令類が発見されていないこと、逆に複数の知事から政府に対して民党進出を阻止するために警察力の行使を求める意見が寄せられていることから、選挙干渉の発案が内務省側なのか、府県知事側の突き上げなのかについては明らかではないといわれてきた。ただし、天皇の意向が首相・内相に伝わり、一回の選挙で良い結果を出すことを求められていることから、方法を問わず良い結果を出すことを政府の至上命題としたという説が成り立つ(系統的指令説)。
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「選挙干渉」の例文・使い方・用例・文例
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