被覆群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 07:21 UTC 版)
前節では、スピノル写像と呼ばれる準同型写像 SL(2, C) → SO+(1, 3) を構築した。SL(2, C) は単連結であるから、これは制限ローレンツ群 SO+(1, 3) の被覆群である。 制限により、準同型写像 SU(2) → SO(3) が得られる。ここで、特殊ユニタリ群 SU(2) は単位ノルム四元数の成す群と同型であるから、これもまた単連結であり、回転群 SO(3) の被覆群である。これらの被覆写像はそれぞれ、被覆群のちょうど二つの要素が商群の各要素に対応するという意味で二重写像である。制限ローレンツ群と回転群とは二重連結であるということが多い。これは、各群の基本群が二要素巡回群 Z2 と同型であることを意味する。 (量子力学への応用においては、特殊線形群 SL(2, C) のことがローレンツ群とよばれていることもある。) 二重被覆はスピン群の特徴である。実際、二重被覆 Spin+(1, 3) = SL(2, C) → SO+(1, 3) Spin(3) = SU(2) → SO(3) に加えて次の二重被覆も存在する。 Pin(1, 3) → O(1, 3) Spin(1, 3) → SO(1, 3) Spin+(1, 2) = SU(1, 1) → SO(1, 2) これらスピノル二重被覆はクリフォード代数と密接に関連している。
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