乳児用調製粉乳
育児用粉ミルク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 11:17 UTC 版)
WHOは全ての母親に母乳栄養を勧めている。WHOの基準を満たす病院では粉ミルクは禁止されてはいないものの、母乳で育てうる子供には与えられない。新生児に粉ミルクを与えると、母乳栄養の確立を損なう。 母乳栄養を選択しなかったり、不可能だったりする場合は育児専用に調整された粉ミルクを通常哺乳瓶の中に入れて利用する。フォローアップミルクのように離乳時に栄養の補助として用いられるものもある。これはヒトの子供用に各種成分が調整されているので、他の哺乳類の乳(牛乳など)や脱脂粉乳など、未調整のものを与えるより健康上はるかに優れている。 母乳栄養より劣る方法ではあるのに、粉ミルクは新しくて手軽で便利な選択肢として新しい母親向けに市場が開拓されてきた。2004年にイギリスの健康省が調査した所、34%の女性が粉ミルクは母乳とほとんどかわりがないと信じていた。 1979年には、新生児に対する補助的な粉ミルクの授乳、不適切な粉ミルクの宣伝、母乳栄養を妨げるような母親の態度の変化を助長することについてInternational Baby Food Action Network (IBFAN)が注意を喚起している。1981年には世界保健機関が、代替製品の宣伝を避けるための国際基準を策定した。1980年代以降、アメリカ合衆国や日本は他の地域に先駆けて、より母乳に近い成分の育児用粉ミルクを開発してきたため、当時とは粉ミルクの栄養は改良されてはいる。なお、母乳栄養が推奨される。 21世紀でも、アメリカではヘルシーピープルにより、日本では厚生労働省が母乳育児を推奨するガイドを作成し普及に努めている。
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