紛争理論とは? わかりやすく解説

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紛争理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/26 04:16 UTC 版)

紛争理論(ふんそうりろん、: Conflict Theories: Konflikttheorien)は、社会および集団の内部、または複数集団相互の対立から生じる紛争・闘争が秩序の形成を促し、新たな社会の構築に貢献するという観点から評価した社会学上の諸理論のことを指し、闘争理論とも呼ばれる。ドイツの社会学者ラルフ・ダーレンドルフが、1958年に公表した論文「ユートピアからの脱出」において示した闘争モデル(葛藤モデル)の概念によって、広く認知されることとなった。




  1. ^ 注意すべきなのは、マルクスが生産手段の所有・非所有という観点から私有財産を「持つ者」と「持たざる者」との間の対立関係を基軸としているのに対して、ダーレンドルフはマックス・ヴェーバーの『支配の社会学』に依拠して権力の所有・非所有という観点から階級闘争を支配者と被支配者との対立関係から捉えているところである。日本社会学会編集委員会編『現代社会学入門(第2版)』有斐閣双書P.72参照
  2. ^ 権力を持つ者は権力を持たない者へ服従を強制するが、権力を持たない者は服従を嫌いはねつけようとする傾向が顕著である。したがって、両者の間の利害対立による闘争がおこる。つまり、権力の存在は異なる二つの勢力を闘争へと駆り立てる源泉となっているというのが、ダーレンドルフの言う「不和の絶えることなき源泉」の意味であり、構造機能分析における均衡概念を批判する主要な論拠となっている。詳細は、ウォーレス、ウルフ(濱屋正男、寺田篤弘、藤原孝、八幡康貞共訳)『現代社会学理論』(新泉社)P.162参照。
  3. ^ ウォーレス、ウルフ『現代社会学理論』P.163-4
  4. ^ コーザー(新睦人訳)『社会闘争の機能』(新曜社)、Lewis Coser: The Functions of Social Conflict(NewYork, The Free Press 1956)
  5. ^ ウォーレス、ウルフ『現代社会学理論』P.177
  6. ^ a b これは、ジンメルによって提起された命題にならったものである。作田啓一・井上俊編『命題コレクション 社会学』P.124
  7. ^ 例えば、第二次世界大戦勃発前から政局が不安定な状況にあったフランスでは、イギリスのような挙国一致体制を形成することなく、政府部内の内紛によって正常な戦時体制を維持することができずにドイツ軍に惨めな敗退を喫し、第3共和制は崩壊した。服部春彦、谷川稔編著『フランス近代史』(ミネルヴァ書房)P232-3。
  8. ^ ウォーレス、ウルフ『現代社会学理論』P.178-9


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