せいそうねんてん‐しょう〔セイサウネンテンシヤウ〕【精巣捻転症】
精巣捻転症(睾丸捻転症)
精巣(睾丸)が回転したために精巣に行く血管・精管(精子を運ぶ管)が突然捻れる病気で,強い痛みと精巣の腫れを伴います.早急に捻れを戻さないと,精巣は 壊死 に陥り萎縮してしまいます.症状が出てから24時間以内,できれば6〜8時間以内に手術により捻転を解除すれば精巣を温存できることが多いのですが,それ以上経過すると壊死に陥った精巣を取らなくてはならなくなります.また,反対側の精巣も捻転を起こす可能性がありますので,同時に反対側の精巣の固定を勧められることもあります.まれながら,胎内で捻転を起こす例があり,出生直後に精巣の腫れが見られることや,すでに壊死に陥った結果,萎縮あるいは消失していることもあります. この病気で最も問題になることは,精子を造る能力(造精機能)がどうなるかです.精巣に血液が流れなくなるので精子を作るもとになる細胞は酸素不足のため壊死に陥って数が減ってゆきます.発症早期に手術を行うことができ,精巣が温存できればこの細胞の減少は最小限にとどめることができます.しかし,時間の経過と共に減少してゆくので,発症から手術までの時間が長いときには将来の妊孕性(妊娠させる能力)が低下してしまいます.できるだけ早期の手術が望まれる理由です. このような急激な陰嚢部の痛みと腫れをきたす病気はいくつかあります(急性陰嚢症といいます)が,病気の区別が難しく,また精巣捻転では早期治療が必要ですので,早く病院にかかることが大切です. |
精巣捻転症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/07 02:08 UTC 版)
精巣捻転症(せいそうねんてんしょう)は、男性器において腹部と精巣を繋ぐ精索が捻じれる症状。精索捻転症(せいさくねんてんしょう)、睾丸回転症(こうがんかいてんしょう)とも言う[* 1]。精索の捻れにより精巣への血流が途絶えるため、処置までに時間を要すると精巣が壊死する危険がある。このため、発症から6時間以内の緊急の手術を必要とする[1]。
- ^ a b Wampler SM, Llanes M (September 2010). “Common scrotal and testicular problems”. Prim. Care 37 (3): 613?26, x. doi:10.1016/j.pop.2010.04.009. PMID 20705202.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 木本 (1969)
- ^ 広川勲 (1956) 泌尿器科学紀要 2:97 木本 (1969) よりの孫引き。
- ^ a b c 広川勲 泌尿器科学紀要 2:97 (1956) / 木本 (1969) 『現代外科学大系 第42巻B』より孫引き。
- ^ 杉本雄三 日本外科宝函 23:280 (1945) 木本 (1969) よりの孫引き。
- ^ a b 木本 (1983) 『現代外科手術学大系 第17巻』
- ^ a b c 大槻 (1969) p.537
- ^ a b c d e 田中啓幹、盛岡政明(編)、2001、『泌尿器科学ハンドブック』、大学教育出版 pp. 60
- ^ a b c d Mary E.Klingensmith (2008, 2009) p.855
- ^ 鬼塚卓弥、1996、『形成外科手術書 実際編 改訂第3版』、南江堂 pp. 919
- 1 精巣捻転症とは
- 2 精巣捻転症の概要
- 3 治療
- 4 脚注
精巣捻転症と同じ種類の言葉
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