胚細胞性腫瘍とは? わかりやすく解説

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胚細胞性腫瘍・奇形腫群腫瘍

胚細胞性腫瘍
発生
胚細胞性腫瘍は奇形腫群腫瘍とも呼ばれます胚細胞卵子精子)のもとになる細胞原始生殖細胞)が腫瘍化したもので,性腺卵巣精巣)から発生するものが半数以上を占めます卵巣精巣以外からも発生することがあり,これは胎生期に原始生殖細胞が体の他の部位迷い込んだもの(迷入組織)が発生母地と考えられており,頭蓋内から仙尾部まで体の至る所から発生し,とくに体軸正中,すなわち松果体付近頭蓋内,頚部縦隔後腹膜,仙尾部好発します.
分類
原始生殖細胞は体を構成するすべての細胞の元であり,あらゆる細胞分化成熟する能力多分化能)を持っています.そのため,それが腫瘍化した胚細胞性腫瘍の分化度組織型多彩であり,1)ほぼ完全に成熟した細胞からなる良性の成熟奇形腫,2)未分化細胞構成される絨毛がん卵黄嚢がん等の悪性胚細胞性腫瘍,3)その中間の未熟奇形腫あります.さらにこれらの成分混在しているものもみられます.
頻度
日本小児外科学会悪性腫瘍委員会集計によると,2000年度日本での新発生数(脳腫瘍を除く)は,成熟奇形腫67例,未熟奇形腫14例,悪性胚細胞性腫瘍が21例,その他(複合組織型分類不能型など)が12となっており,半数以上が良性の成熟奇形腫です.
症状
発生部位によりさまざまです.頭蓋内のものは嘔吐頭痛など.胸腔内や腹腔内の場合には腫瘍ある程度大きくなるまで症状のないことが多いようですまた,新生児みられる尾部奇形腫では,胎児超音波検査などで出生前に見つかることがあります腫瘍マ-カ-としてアルファフェトプロテインあります
治療
原則として手術による切除が行われます成熟奇形腫未熟奇形腫切除のみで治癒することが殆どですが,まれに再発することがあります悪性胚細胞性腫瘍では,その進行度に応じて手術治療抗癌化学療法放射線療法組み合わせた治療行います
治療の現状
悪性腫瘍治療成績5年後生存している確率5年生存率)で表されます.成熟奇形腫5年生存率は98.4%,未熟奇形腫は90.2%で少し差があります死因腫瘍再発腫瘍からの出血,また治療中合併症よるものなどです.一方悪性胚細胞性腫瘍の5年生存率全体85%と比較良好です.しかし,発見転移のある症例病期・)では59.1%といまだに不良であり,更なる改善望まれます.




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