米国のポンチキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 23:12 UTC 版)
ポーランド系アメリカ人やパン業界によって、ポンチキは米国(特に中西部)で人気の食べ物となっている。ポーランド系アメリカ人の多くは脂の木曜日(ジュディグラ)でなく脂の火曜日(マルディグラと呼ばれる、灰の水曜日の前日)を「ポンチキの日」として祝い、やはり「いやというほど」ポンチキを食べる。 四旬節直前のお祭りとして、伝統的にどちらかといえばジュディグラ(脂の木曜日)はポーランドやドイツをはじめとする北ヨーロッパ系のカトリック教徒、マルディグラ(脂の火曜日)はフランスやイタリアなど南ヨーロッパ系のカトリック教徒が重視する傾向があったが、現代になるとどの国でもジュディグラとマルディグラの両方を盛大に祝うようになってきた。 米国のポンチキは本場ポーランドの製法のポンチキに加えて、ドーナツのようにチョコレートやカラーグレーズをかけた上にキャンディースプリンクルがトッピングされていたり、サイドに穴をあけたり輪切りにしたりしてフレッシュクリーム、カスタードクリーム、チョコレートクリームが大量に詰め込まれていたりする。こうなると一度に何個も食べられない代物になる。 シカゴその他アメリカ中西部の大都市にはそれぞれ大きなポーランド系共同体があるが、毎年の「ポンチキの日」は、移民してきたばかりの住民も長年の住民も分け隔てなく祝っている。また、この地域の住民は人種や宗教宗派に関係なく「ポンチキの日」を祝い、パン屋やケーキ屋の前に長蛇の列を作り、それぞれが大量のポンチキを買っていく。スーパーマーケットでも大量のポンチキが店頭に並ぶ。 バッファロー、トレド、クリーヴランド、デトロイト、グランドラピッズ、ミルウォーキー、サウスベンド、ウィンザーでも、「ポンチキの日」は脂の木曜日(ジュディグラ)でなく脂の火曜日(マルディグラ)に食べられることが多いのであるが、ポーランド系アメリカ人が200万人以上と非常に多く、旧世代のポーランド系住民と新世代のポーランド系住民が混住する「ワルシャワを除けば世界最大のポーランド人都市」シカゴではジュディグラとマルディグラの両方を「ポンチキの日」として祝うので、この期間に消費されるポンチキの量はさらに膨大となる。ニューヨーク市ブルックリンのポーランド人地区であるグリーンポイントではジュディグラを「ポンチキの日」としていたが、近年はマルディグラでもポンチキを大量に食べるようになってきた。 デトロイト市の飛び地であるハムトラムクでは毎年、「ポンチキの日パレード」が開催され、熱心な参加者たちがいる。グレーター・クリーヴランド地域ではポンチキが広く定着しており、「ポンチキの日」には多くのベーカリーで行列ができる。いくつかの地域では「ポンチキの日」の祝賀行事は聖パトリックの祝日の祝賀行事よりもはるかに大きな規模となっている。
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