第一章 序説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 10:11 UTC 版)
本書執筆の動機として、国学者は古事記を基本と考え日本書紀を軽んじる傾向があること、また、古事記・万葉集を見馴れた眼には、日本書紀の仮名には違例に見えるものが多いことを挙げている。そしてその目標を、日本書紀の歌謡と訓注とに見出される語彙をすべて採録し整理を加え、本文上の異同を校し、語彙ならびに仮名の索引の形式に於てそれを収めることとしている。取り組むべき問題として、古事記・万葉集の字音は一般に呉音であり、用いられている字種が少なく、特に万葉集は一音一文字を原則とするのに対し、日本書記の仮名はより新しい北方音であり、その字種は530種類も存在すること、そして万葉仮名は各文字が中国の文音体系を有し、その字音体系は中国本土における音韻の時代的地方的相違を詳細に反映するものであることを挙げ、それを踏まえて文献ごとに音韻との関係を定めるべきであることを述べている。
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