科学的効用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 00:55 UTC 版)
アイブラックの本来の使用目的は威圧感やメッセージ性ではなく防眩性にあると言われてきたが、21世紀に入ってようやく科学的に検証された。 2003年に眼科学専門誌『アーカイブス・オブ・オプサルモロジー』(Archives of Ophthalmology) にアイブラック・グリースやステッカーの効用性についてイェール大学のブライアン・デブロフ (Brian DeBroff) とパトリシア・パーク (Patricia Pahk) の医学博士2人が行った研究が掲載された。被験者をアイブラックのグリースを塗った者、アイブラックのステッカーを貼った者、ワセリンを塗った者の3グループに分け、自然の直射日光の中でペリ=ロブソン・チャート (Pelli-Robson Chart) を用いてコントラスト感度を検査した。この研究では両眼ともアイブラックのグリースタイプは、ワセリンはもちろん防眩ステッカータイプにも有意差をつけ、アイブラック・グリースが太陽下においてグレアを減らしコントラスト感度の改善に効果があることが結論づけられた。 デブロフとパークの研究では被験者が自分の目の下に塗られたものを事前に知っていたため、2005年にニューハンプシャー大学 (University of New Hampshire) の心理学のクラスでベンジャミン・パワーズ (Benjamin Powers) が再実験を行った。これはアイブラック・グリースと、全く同じサイズと形と塗布感覚を持つが肌には何もつかないマテル社製のおもちゃの口紅というプラシーボを用いた対照実験である。その結果、改善度合いは少ないが、アイブラック・グリースは明らかに太陽光線のグレアを防ぐ効果があることが判明した。この実験ではさらに、青い目の人間は他の虹彩色の者より、また男性は女性よりアイブラックの効果が低いことも判明している。ただし被験者が少ないため、科学的効用を調べるには今後も更なる実験が必要である。
※この「科学的効用」の解説は、「アイブラック」の解説の一部です。
「科学的効用」を含む「アイブラック」の記事については、「アイブラック」の概要を参照ください。
- 科学的効用のページへのリンク