発売の経緯と利用実態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/05 16:11 UTC 版)
「昼間特割きっぷ」の記事における「発売の経緯と利用実態」の解説
元々私鉄との競争において大きく水を開けられていた日本国有鉄道(国鉄)大阪鉄道管理局が、1983年(昭和58年)に打ち出した対抗策であり、JR西日本にも継承された。例えば、大阪(梅田) - 三ノ宮(神戸三宮)間の運賃を比較した場合、2014年時点ではJRの通常片道運賃が410円、阪急電鉄と阪神電気鉄道の通常片道運賃が320円と差があるが、当きっぷでは1枚あたりの値段が270円と大幅に安くなる。 なお、当時でも私鉄各社も時差回数券や土休日回数券などを発売していたことから、土曜・休日は各社の土・休日回数券などの方が割引率が高い場合があったこともあわせて、関西圏におけるJRと私鉄との競争例の一つとなっていた。こういった実態に対し、朝日新聞は当きっぷなどの普及が関西圏におけるICカード乗車券(ICカード=ICOCA・PiTaPaおよび共通利用可能なカード、以下同じ)の利用率が関東圏の半分程度(全体の4割程度とされる)に留まっていることと関連しているのではないかとの分析を報じた。この理由として同紙は、関西圏では当きっぷなどの回数券形の割引乗車券が普及しており、乗車時の割引がないICカードの利用率が低い原因ではないかと分析しており、鉄道コンサルタントの至道薫の意見として「ICカードを使った方がより便利でお得な仕組みにしないと普及は進まないのでは」との見解が紹介されていた。近畿圏の金券ショップでは主力商品のひとつであり、バラ売りで利用する客も多く見られた。 2015年10月1日発売開始分より12枚綴りから6枚綴りへ変更され利便性が増進した半面、発売価格の見直し(割引率の低減)や設定区間が縮小された。また、2018年10月からICOCAによる新たな近距離利用促進サービスとして、利用区間や回数に応じたポイント割引制度である「ICOCAポイントサービス」を導入。これに合わせて当きっぷは2018年9月をもって発売終了した。
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